のどは、咽頭と喉頭に大きく分けられます。咽頭は鼻の奥から口の奥、食道に至る部分で、喉頭は気管の上にあって空気が通り、声帯がある部分です。
のどのがんには、咽頭がんと喉頭がんがあります。さらに咽頭がんは、がんができた場所により上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんという3つに分けられます。
のどには、発声やものを飲み込む嚥下、呼吸といった重要な機能がたくさんあるため、そこにがんができてしまうと、生活の質が大きく損なわれてしまう可能性があります。
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のどは、咽頭と喉頭に大きく分けられます。咽頭は鼻の奥から口の奥、食道に至る部分で、喉頭は気管の上にあって空気が通り、声帯がある部分です。
のどのがんには、咽頭がんと喉頭がんがあります。さらに咽頭がんは、がんができた場所により上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんという3つに分けられます。
のどには、発声やものを飲み込む嚥下、呼吸といった重要な機能がたくさんあるため、そこにがんができてしまうと、生活の質が大きく損なわれてしまう可能性があります。
のどにできるがんは、とくに男性がなりやすく、50~60歳代から増加します。
また、喫煙や飲酒の習慣のある人は、リスクが高いとされています。特に、喉頭がんの患者さんは、90%が喫煙者です。喫煙は肺がんのリスクとして知られていますが、実は、最もリスクが高いのが喉頭がんなのです。
のどのがんは、できた場所や進行度によって、自覚症状が違います。
喉頭がんの60~70%は、声がかすれるので、早期発見につながる症状といえます。
食べ物は中咽頭から下咽頭を通って食道に行くため、ここにがんができると、飲み込みにくさやのどの違和感が生じます。
喉頭がんでも起こることがありますが、声のかすれに比べて見過ごされやすく、早期発見につながりにくいのが現状です。
がんが進行して周囲のリンパ節に転移して大きくなると、首の一部が腫れてきます。
特に上咽頭がんに多い症状で、この症状が現れたら、がんが進行しているケースが多くみられます。
中咽頭がんが進行すると、扁桃が腫れることがあります。
これらの症状が2週間以上続く場合は、がんが疑われるので、耳鼻咽喉科や頭頸科を受診しましょう。頭頸科は、頭部や首のがんをメインに診療する科で、一部の医療機関で開設されています。
のどのがんの治療は、できた場所だけでなく進行の程度によって異なります。
声帯を温存して根治を目指す治療が行われます。治療法は、放射線と抗がん剤を組み合わせたものと、手術の2つがあります。早期がんであれば、放射線と抗がん剤による治療が行われますが、放射線だけでも根治を目指すことができます。
また、手術による治療でも、声帯を温存して根治を目指せるようになっています。
今までの手術は、首や気管を切開して行われていたため、患者さんに大きな負担がかかっていました。ところが、最近、負担の軽い経口的手術が普及してきました。この手術は、口から手術器具を挿入して行われます。経口的手術は傷が最小限に抑えられ、術後の入院期間は10日?2週間と短く済みます。
首や気管を切開し、喉頭をすべて摘出する手術を行います。その後、気管と首をつなげて空気を通す孔を首の付け根に開けます。
喉頭をすべて摘出すると、声帯も取り除かれるため、声を出すことができなくなります。そのため、術後は声帯に代わる別の発声法を習得する必要があります。また、下咽頭と食道の一部も摘出するため、小腸の一部を移植して、食べ物などの通り道を再建します。
なお、上咽頭がんは、放射線と抗がん剤による治療が中心です。また、中咽頭がんは、放射線や抗がん剤による治療のほか、手術も行われます。