早めに対処 帯状疱疹(ほうしん)の症状チェック・治療のポイント

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帯状疱疹(たいじょうほうしん)発疹が出たかゆみがある皮膚

帯状疱疹の進行と治療のポイント

帯状疱疹の経過画像

帯状疱疹の経過

帯状疱疹(ほうしん)は、「水痘[すいとう]・帯状疱疹ウイルス」、つまり水痘(水ぼうそう)のウイルスによって発症する病気です。子どものころなどに水ぼうそうにかかったことがある人は、ウイルスが体内に潜伏していて、誰でも発症する可能性があります。
発症直後はあせもに似た発疹が見られますが、あせもと違い、かゆみだけでなく痛みをともなうケースが多くみられます。進行すると水膨れが発生するのが特徴です。

発症から3日以内に受診を

帯状疱疹は、発疹が生じて3日以内に治療を開始するのがポイントです。発疹は治療しなくても20日ほどで治りますが、治療が遅れたり治療しなかった場合には、「39度以上の熱」や「頭痛」をはじめ、全身的な症状が現れることがあります。また、治療が遅れると、発疹が消えたあとに、後遺症として神経痛(帯状疱疹後神経痛)が残る場合があるので、できるだけ早く治療を開始することが大切です。体の片側に痛みを感じたあと、痛みのある部位に発疹が現れます。そのような場合は早めに皮膚科を受診してください。

帯状疱疹の治療薬

帯状疱疹の治療薬

帯状疱疹の治療では、「抗ウイルス薬」を主に使用します。その他症状が進む場合には、皮膚の炎症を抑える「消炎鎮痛薬」や、神経の障害からくる痛みを抑制する「抗てんかん薬」「オピオイド」などを使用します。

早期治療が大切な理由

帯状疱疹の抗ウイルス薬について

ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬は、発疹が出てから3日以内に服用しなければウイルスを抑えることが難しくなってしまいます。
また、抗ウイルス薬は7日間のみ続けることが大切です。

帯状疱疹とはどんな病気?

帯状疱疹の初期症状と重症化について

初めに痛みが生じ、進行すると痛みは激しくなります。初期にはかゆみだけを感じるという人もいます。やがて、痛みが生じた体の左右どちらか片側に赤い発疹が生じて、進行すると発疹は帯状に広がり、やがて水疱になります。発症しやすいのは、胸、背中、腹部、顔、頭部です。

症状には個人差があり、患部に衣類が触れる程度の軽い刺激でも強い痛みを感じる場合や、痛みが強くて眠れないなど日常生活に大きな影響を与えることもあります。重症化すると運動神経にまで影響することがあり、腕が上がらなくなったり、難聴や顔面神経まひなどが起きる場合もあります。免疫の働きが低下することが発症のリスクを高めると考えられています。

発症のきっかけ

帯状疱疹の発症のきっかけ

「過労」「ストレス」「加齢」のほか、がんや糖尿病など「免疫の働きが低下する病気にかかっている」、または「免疫の働きを抑える薬を服用している」などがあります。夏バテの出やすい夏から秋にかけて発症する人が多く、年代別では50歳代から急増します。高齢者や、免疫を抑える薬を使っている人では、一度治ったあとも再発することがあるので注意が必要です。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    早めに対処 帯状疱疹(ほうしん)