発掘ニュース

No.163

2017.08.04

情報番組

93歳、現役俳優&ナレーター・久米明さん生放送で語る!

おなじみ『ひるまえほっと』(関東地域のみの放送)の「発掘!お宝番組」、7月はこのコーナー最高齢のゲスト、俳優の久米明さんでした!

今回はいつもとは、ちょっと違ったスタート!というのも…

音声、つまりラジオ番組の発掘をまずお聞きいただきました。

「振り返ってみますと、多くの先輩、先生に教えを受けました。人間としての生き方を教えられたことも少なくありません。中学5年の時の担任の尾崎先生は、君たち人間は生涯に3度、死のうと思うことがある。その死を考えた切羽詰った時に、どのように身を処するのか?絶体絶命をどう切り抜けるのか?そこに人間の真価が問われるのだ…。」

ラジオ第1放送で1973年に放送した『人生読本』という番組です。
「私の人生の中で、どのような運命の分かれ目があったかというような話です。これは前振りでして、あとに色々な先生方にお目にかかって僕が教えを受けたことを放送しているんです。」

スタジオには、カセットテープや6ミリのオープンリールテープなどに収録された音源の数々。今回、久米さんからは、『人生読本』をはじめNHKに保存が無かった音源をおよそ60本提供いただきました!ありがとうございました。

武内アナ「私、10年位前に生放送でご一緒して、その時も80代でいらしたんですが…」
久米さん「そうです、93(歳)になりました。」
武内アナ「93歳!!芸暦何年でいらっしゃいますか?」
久米さん「私は戦後からですから…1947年から始めてます。」
武内アナ「もう70年!」

しかも、今も『鶴瓶の家族に乾杯』のナレーターを務める現役!!
実は、久米さんには内緒で笑福亭鶴瓶さんからメッセージが!

「動いてる久米さんをテレビで見られるというのは、これはホントに神さんみたいなもんですよ。こういう仕事してるんですけど、こんな喋りがものすごい苦手なんです(笑)ちゃんとした正式なことを喋れない65歳、情けないです。久米さんのナレーションは、もうホントにいいですね。久米さんのナレーションのおかげで20年続いたと思います。本当にありがとうございます。また今年中にお会いしましょう!」

その時の久米さんの表情がこちら…

『鶴瓶の家族に乾杯』では、ナレーションとスタジオの収録は別の日だとのこと。普段のお仕事ではめったに会う機会が無いそうで、久米さんはビックリ、そして大喜びでした!

朗読やナレーションの仕事だけではなく、もちろん俳優としても活躍されてきた久米さん。NHK最初の大河ドラマ『花の生涯』にも出演!なんとアメリカ人のハリス役、その時の思い出も語ってくれました。

「ハリスをやれっていわれたときに、なんで僕のところに外国人の役がきたんだかわからない。そしたら前の年に、私が舞台の作品で外国人役をやったことがあるんです。たぶんそれで良いだろうと…テレビと舞台じゃ、テレビは穴が開くほど見られますからね。(笑)」

「もっぱらメイキャップに凝りましてね。NHKの方に相談しまして、私とにかく平べったい顔なので凸凹を付けたいんだけど…といったら、その頃ちょうどハリウッドで映画で使われてるからって、パテっていうんですが取り寄せて使ったんです。」

残念ながらこの『花の生涯』はNHKに写真やフィルムの素材が一部残っているだけで、久米さんからの発掘もなりませんでした。

久米さんが大切に持ち続けていた映像はこちらです!

1957年放送のドラマ『石の庭』。大阪放送局制作で、監督は当時若手だった和田勉さん

33歳のころの久米さん!舞台は室町時代の京都、龍安寺の石庭をめぐる兄弟愛と封建社会の階級制度を描いたドラマです。久米さんが演じたのは龍安寺の庭造りを任された庭師の兄・小太郎。

自分の名は後世に残らなくても素晴らしい庭が造れればそれでいいという小太郎と、兄を支えつつも、自分たちの名を残したいと考える弟・善次郎。二人は悲しい最期を遂げます…。

なんと、当時はドラマも生放送でした!

「僕は大阪に10日間行きました。最初のうちは作品について、役について、演出家の和田さんから話を受けて稽古を受けていたんですが、その次には、スタジオに実際にセットを組んで、石庭の実寸大の庭を。これでAスタジオは一杯。となりのBスタジオで姫の館とか、私ども兄弟の家だとかのセットを組みました。」

「となりのスタジオから廊下を越えて、まずはカメラを行かせる、こんなにでっかいカメラですからね。次にケーブルを引っ張って、やっと役者が衣装変えながら顔を作り直しながら次のセットに駆け込む。これを秒数計って…という稽古に夢中でしたね、あの頃は。10日間の稽古のうち、実際に演技の稽古をしたというよりは、大道具とのケンカをやってたみたいですね(笑)」

ご自身こそがテレビの歴史ともいえる久米明さん、貴重な音源、映像、そしてお話をありがとうございました!これからも現役で活躍し続ける久米さんを応援しています!

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