2012年に公開された『踊る大捜査線』の初日舞台挨拶で、がっちりと握手する織田裕二と柳葉敏郎

2012年に公開された『踊る大捜査線』の初日舞台挨拶で、がっちりと握手する織田裕二と柳葉敏郎

「昨日、迷惑かけてないかな?」

 37年の歳月で大きな出来事もあった。そのひとつが、秋田への帰郷。1997年に12才下の一般女性と結婚し、2000年に長女に恵まれた柳葉は、2006年に妻子を連れて秋田に移住した。ドラマや映画の仕事のたびに、秋田から撮影現場に“通勤”する生活を続けている。今回の『ブギウギ』もそうだ。

「自然が豊かな故郷の町で、子育てがしたいという考えがあったようです。奥さんは当初は大反対しました。ですが少しずつ柳葉さんの考えに賛同するようになり、幼稚園の卒園のタイミングで受け入れたそうです」(柳葉の知人)

 移住後は高齢の母親も一緒に暮らし、2008年には長男も誕生した。

「移住直後から、柳葉さんは地元の行事に積極的に参加しています。子供たちの学校行事にも頻繁に顔を出していて、長女が小学生のときにはPTAの役員を務めていました。買い物中に声をかけられれば気さくに対応するし、記念撮影にも応じる。地元ということもあり、なじむのに時間はかかりませんでしたよ。いまでは近所を散歩していても、誰も珍しがりません(笑い)」(前出・柳葉の知人)

 一方、秋田に縁もゆかりもなく、知り合いもいなければ方言の理解もままならない妻は、気苦労が多かった。

「スーパーに行けば“ギバちゃんの奥さんだ”とヒソヒソと指をさされるなど、大変だった。“東京に戻りたい”と柳葉さんに伝えたこともありました。ですが柳葉さんと行事に参加するうちに、徐々に地元に溶け込んでいったんです。雪国の生活にも戸惑ったようですが、いまでは自分で雪かきをするほど順応しています」(近隣住民)

 その妻の存在がなければ、柳葉の代表作のひとつである『踊る大捜査線』は人気シリーズになっていなかったかもしれない。共演者の織田裕二(55才)との関係に、妻が深くかかわっていた。

「共演者のせりふや演技に意見する織田さんと、柳葉さんは撮影初期からそりが合いませんでした。柳葉さんはわずか数回目の撮影で、監督に“殉職させてくれ”と頼んだほど。ですが奥さんは台本を読んで、“すごくいい役じゃない。私はもっと見たいな”と、つぶやいたそうです。その一言で踏みとどまり、長年演じ続けたんです」(前出・柳葉の知人)

 妻の言葉を胸に共演を続けていた柳葉だったが、織田との確執が消えたわけではなかった。その関係に雪解けが見られたのは、最後の映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012年公開)のクランクイン時だった。

「2人は最後だから頑張ろうと、がっちりと握手を交わしたそうです。この出来事以来、関係者の間では“ギバちゃんが丸くなった”と囁かれるようになった。昔は柳葉さんもとがっていましたが、年を重ねたことに加え、生活環境が大きく変わったことで気持ちに余裕が生まれたのかもしれません」(別の芸能関係者)

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