安倍寛信氏や洋子さんが集まる写真(安倍晋三氏のTwitterより)

安倍寛信氏や洋子さんら安倍家も岸家もテーブルを囲むこともあるが(写真は6月。安倍晋三氏のTwitterより)

信千世氏が継ぐのは父・信夫氏の地盤

 洋子夫人の孫となると、後継者候補は寛信氏の長男と長女、岸信夫氏の長男と次男の4人に絞られることになる。そのうち、国政に意欲的なのは岸信千世氏だ。フジテレビ記者から父の秘書官に転じ、すでに“政治家修業”を行なっている。安倍家に近い関係者は、安倍氏も信千世氏を後継者に考えていたという。

「洋子夫人は寛信氏の長男をなんとしても安倍家の後継者にしたかったのでしょうが、本人は固辞し続けた。その点、信千世氏は政治家をめざす姿勢がはっきりしていた。晋三さんは周囲に『(跡を継ぐのは)信千世でいいじゃないか』と漏らしていました」(同前)

 しかし、洋子夫人は、信千世氏はあくまで「岸家の跡取り」と考えていた。岸信介・元首相の長女で若い頃から父の選挙を手伝い、安倍晋太郎氏に嫁いでからは夫の地盤を守った洋子夫人は、「安倍家」と「岸家」の2つの地盤、政治的血脈を守っていくことが自分の役目だという強い思いを持つことで知られる。

 夫の死後、地盤を次男の晋三氏に継がせると、次は実家の岸家へ養子に出した三男の岸信夫氏を政界入りさせ、参院議員から衆院に鞍替え。岸家の本拠地、田布施町のある山口2区から当選させて岸家の“お家再興”を図った。

「商社マンだった信夫さんはもともと政治家になる気はなく、洋子夫人の兄で信夫さんの養父母である信和さん夫婦も反対でした。しかし、洋子さんは信夫さんに“あなたを養子に出したのは政治家・岸信介の後を継がせるため”と説得し続けた。政界の名門・岸家再興に懸けるすさまじい執念を感じた」(同前)

 そのため、岸家の後継者は信千世氏、安倍家の後継者は安倍家、つまり寛信氏の子供たちからという気持ちが強かったようなのだ。

「それでもここ最近では、洋子さんも信千世氏を安倍総理の後継者にして、岸家のほうは信夫氏が十分政治的実績を残すまでやってから、引退後は次男に継いでもらうという考えに傾いていたようです」(同前)

 ところが、その信夫氏は菅内閣の防衛相で初入閣し、岸田内閣でも再任されてこれからというときに健康不安が表面化。8月の内閣改造では防衛相を降りて総理補佐官に転じ、国葬にも電動車椅子で参列するなど体調悪化が心配されており、地元選挙区では信千世氏への世襲が早まるとの見方が強まっている。自民党山口県連関係者はこう言う。

「昨年10月の総選挙では防衛大臣の公務で東京を離れられない信夫さんに代わって信千世氏が選挙区の山口2区に入り、支持者に後継者としてお披露目も済ませた。地元では信夫さんは次の総選挙で引退、信千世氏が出馬して世代交代するというのが既定路線と見られています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
4月3日にデビュー40周年を迎えた荻野目洋子
【デビュー40周年】荻野目洋子 『ダンシング・ヒーロー』再ヒットのきっかけ“バブリーダンス”への感謝「幅広い世代の方と繋がることができた」
週刊ポスト
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン