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更新日:2023-10-02
Level 1 バックアップを最初に学ぶ人が読む記事
第1章 バックアップの基礎

第5節 バックアップの種類

第4節はバックアップの形式「ファイル単位」「イメージ単位」を学びました。
次は、バックアップデータを何世代取っておくべきか考えるために「バックアップの種類」を学びましょう。世代の取り方は日々増え続けるバックアップデータの世代管理をする上で、非常に重要です。それぞれのメリット・デメリットを押さえておきましょう。

バックアップの種類は4つある!

バックアップ博士
さて、 「バックアップの種類」 は4つある。解説していくぞ。
hakase.png

①フルバックアップは、全てのデータ丸ごと

フルバックアップ

形式を問わず、丸ごと「全てのバックアップ」をとることを「フルバックアップ」という。このフルバックアップは「復元すると完全に元の状態と同じ」になる。簡潔で分かりやすいがバックアップに非常に時間がかかる。

full

②差分バックアップは、フルバックアップからの更新分

差分バックアップ

前回のフルバックアップから「更新されたデータ」を取得するのが「差分バックアップ」である。前回のフルバックアップと差分バックアップがあればデータは完全に元の状態と同じになる。増分バックアップと比較するとバックアップデータが大きくなるがリストアの手間は増分と比較すると楽である。

例)2週目木曜日のデータで復旧する時

difference
mamoru_kangaechu.png
城宝 守
差分バックアップは早くリストアできるけど、回数を重ねるごとに転送データが大きくなるからバックアップに時間がかかるんですね。それに保存先のデータを定期的に消去しないと容量が足りなくなるデメリットがありますね。

③増分バックアップは、変更点の積み重ね

③増分バックアップ

差分バックアップが初回バックアップからの「更新されたデータ」の取得に対して増分バックアップは 「前回からの変更点の積み重ね」だ。つまりフルバックアップ+増分+増分+増分+増分+増分と増えていく。
よって、増分バックアップのほうが1回の転送量が少なくスピードは早いと言える。ただし戻すときにはフルをリストアした後に1回目の増分+2回目の増分+3回目の増分と重ねてリストアしていくのでリストアの手間が増える。
また、途中のデータがない場合にはそれ以降のデータは復元できないというデメリットもある。

例)2週目水曜日のデータで復旧する時

incremental01

例)2週目金曜日のデータで復旧する時

incremental02
mamoru_kangaechu.png
城宝 守
増分バックアップは早くデータを転送できる分、リストアが手間だし、正常にバックアップが終了しなかった時のリスクが高くなるんだなあ。

④永久増分バックアップは、差分と増分のいいとこどり

④永久増分バックアップ

永久増分バックアップは、あらかじめ設定したバックアップの世代数を超えた場合に最も古い増分データとフルバックアップを合成させることでフルバックアップの世代を更新する。よって、バックアップの際は増分データのみを転送すればいいため、増分バックアップと同等の速さでバックアップが可能である。
また、設定した世代数を超えるとフルバックアップと増分データを合成し、次世代のフルバックアップとして保存するため、最低限の手数で復旧できる。差分バックアップと増分バックアップのメリットを掛け合わせたバックアップ方法である。

perpetual_increment01

Point: 日曜日にフルバックアップを取り直す必要がない

例)2週目火曜日のデータで復旧する時

perpetual_increment02
バックアップ博士
永久増分バックアップなら、保存先の最大容量を超えることなく半永久的に増分バックアップを取り続けることができるんじゃ。
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mamoru_bikkuri.png
城宝 守
なるほど、わかりました!
では第4節で学んだ2つの方法「オンライン/オフライン」と4つの種類「フル/差分/増分/永久増分」の組み合わせで2の4乗の16パターンからバックアップ方法を考えればいいんですね。
バックアップ博士
まあ、初めはそれでいいじゃろ。
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城宝 守
初めは…ってまだあるんですか?
バックアップ博士
バカモン!!!!
まだまだ始まったばかり。バックアップは一日にしてならず!!じゃ。
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城宝 守
はいはい、わかりました…

フル/差分/増分/永久増分のメリット・デメリット

バックアップ博士
わかればよろしい。
沢山の手法があるからにはそれぞれメリット/デメリットがあるんじゃ。
下の一覧表をよーく確認するんじゃ。
hakase.png
メリットデメリット

フル
バックアップ

  • リストア時の手間が一度で済み、
    データ管理が楽。
  • バックアップデータ量が多いと、
    バックアップに時間がかかり、
    バックアップウインドウに収まらない可能性がある。
  • 世代を複数残す場合、
    保存先の容量が圧倒的に不足する。

差分
バックアップ

  • リストア時にはフル分+最新の
    差分バックアップの2つのデータを
    リストアするだけのため、
    増分バックアップに比べて短時間で済み、
    データ管理が楽。
  • フルバックアップからの変更が多くなると、
    徐々にバックアップするデータ量が増えていき、
    差分バックアップの時間が増えていく
  • 差分バックアップのデータ量は
    累積で増えていくため、差分の世代数が増えると
    保存先の容量が不足する可能性がある。

増分
バックアップ

  • 一回のデータ転送量を
    少なく
    できる。
  • フルもしくは前回の増分バックアップからの
    変更のみバックアップするため、
    差分バックアップより保存先の容量が少なくて済む。
  • リストア時、フルバックアップと
    最新までの全ての増分バックアップデータを
    リストアするため時間と手間がかかる
  • バックアップ製品やバックアップ対象によっては、
    途中の増分バックアップが壊れると、
    それ以降はデータが残っていてもリストアできなくなる

永久増分
バックアップ

  • 前回のバックアップからの変更のみ
    バックアップし続けるため、
    一回のデータ転送量が少なく、
    保存先の容量が少なく
    て済む。
  • フルバックアップを取得し直す必要がない。
  • 永久増分バックアップの仕組みや保存先によっては、
    合成処理やマージ処理に時間がかかる場合がある。
  • バックアップ製品やバックアップ対象、
    保存先が限定される。

いかがでしたか?
バックアップの仕方を学んだら、次はバックアップの保存先。
バックアップデータををどこに保存するべきか?DVDやUSBメモリじゃ何故だめ?
第6節「バックアップのための記憶媒体」でストレージ、クラウド、テープのそれぞれの特長を押さえて最適な保存先を選択しましょう!

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