経済産業省と中小企業庁は7日、新型コロナウイルス感染症の影響で売り上げが減少した事業者を対象にした「家賃支援給付金」の申請受付を14日にスタートすると発表した。中堅・中小企業には最大600万円、フリーランスを含む個人事業主には最大300万円を一括支給する。店舗の賃借料だけでなく、駐車場や資材置場で使用している地代も対象となる。経産省や中企庁では約250万事業者の利用を想定しており、固定費の負担軽減につなげる狙い。梶山弘志経済産業相は「事業継続の下支えにつなげていく」考えを示した。

 家賃支援給付金は2020年度の第2次補正予算で成立。当初、要件としていた複数店舗による条件を廃し、1店舗でも家賃が高額であれば最大額を受け取れるようにした。法人で月額賃料が75万円以下、個人が同37万5千円以下ならばそれぞれ3分の2を6倍した額を給付する。これ以上の賃料ならば、超過分を3分の1で計算した額に法人は50万円、個人は25万円を加算。それぞれ月100万円、50万円を上限として、6倍した額を支給する。

 給付を受けられる事業者は5~12月の売上高が、単月で前年同月に比べて半減するか、連続する3カ月の平均額が前年同期に比べて3割以上減少したことが要件となる。申請にはこうした売り上げの減少を証明する書類に加え、賃貸借契約や直近3カ月分の賃料の支払実績を示す書類が必要となる。事業所得として計上していないフリーランスや今年1~3月期に創業した新規事業者については申請開始時点では未対応だが、体制が整い次第、受け付けていく方針だ。

 賃貸借契約にはさまざまな契約実態があり、提出書類も増えることから、すでに実施している「持続化給付金」に比べて審査に時間がかかる見通し。このため、ウェブサイト上にマイページを設け、申請状況を確認できるようにして申請者の不安の払しょくにつなげる狙い。また、コールセンターや全国のサポート会場でも申請作業を支援していく計画だ。

 家賃給付金の事務委託費は942億円で予算計上していたが、リクルートが約763億円で受託したことも明らかにした。