columnお役立ちコラム

借り上げ社宅のメリット・デメリット ほかの家賃補助方法との違いは

2023.07.28

借り上げ社宅は、会社が従業員に提供する福利厚生の一環です。
借り上げ社宅があれば、従業員は経済的な負担が軽くなり離職率も下がる可能性があります。

その一方で、借り上げ社宅はデメリットもあるため、導入する場合はメリットと共に把握しておきましょう。
今回は、借り上げ社宅のメリット・デメリット、ほかの家賃補助方法との違いを解説します。

借り上げ社宅のメリット・デメリット ほかの家賃補助方法との違いは

借り上げ社宅とは何か?

借り上げ社宅とは、企業が不動産会社から家を借り上げて従業員に貸し出す制度です。
家賃の一部を会社が補助してくれるので、従業員は家賃にかかる費用を抑えられます。

借り上げ社宅は、企業の福利厚生として実施されている制度で、すべての会社が行っているわけではありません。
実施している会社の多くは、従業員の転勤が多い会社です。

転勤を命じれば、従業員はその先で住居を探さなければならず、費用も手間もかかります。
また、海外に支社を持つ会社でも、借り上げ社宅を実施しているところもあります。
海外では、自力で家を探すのも借りるのも大変です。

会社が家を用意してくれると、従業員は仕事に集中でき安心して働けるでしょう。

借り上げ社宅のメリットを3つ解説

ここでは、借り上げ社宅のメリットを3つ紹介します。
会社が借り上げ社宅を福利厚生の一環として所有していると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

1.従業員が家を探す手間がない

借り上げ社宅を企業が実施していると、従業員が家を探す手間が省けます。
賃貸物件は、地域によって供給に大きな差があります。
東京や大阪のような都市部なら、1年を通して賃貸物件が見つかりやすいでしょう。
しかし、地方によっては3月や9月といった引っ越しシーズンを除き、なかなか賃貸物件が見つからないところもあります。

借り上げ社宅があれば、従業員は安心して仕事に集中できます。

2.相場よりも安い家賃で借りられる

家を借りるには、費用がかかります。
特に、契約する際は敷金・礼金といった費用も必要なので家賃の3~6ヶ月分は必要です。
転勤がある会社では、2年に1度は引っ越しが必要といったケースもあります。
その度に余計な出費がかかっていては、従業員は大変です。

会社が借り上げ社宅を実施してくれれば、従業員は定期的な転勤があっても経済的な負担を感じることなく、仕事に集中できるでしょう。
特に、家族連れで転勤する場合借り上げ社宅制度はメリットが大きいです。

3.節税になる場合もある

借り上げ社宅の場合、給与から家賃が天引きされます。
そのため、給与の手取りが減るため節税になるケースも多いです。
手取りが減るといっても、家賃や住宅ローンを払っている場合は実質支払う金額に変わりはありません。

節税できる税金は、所得税、住民税、社会保険料等です。
社会保険料が軽減されれば、会社側の負担も軽くなります。

借り上げ社宅のデメリットを2つ解説

借り上げ社宅にはメリットだけでなくデメリットもあります。
ここでは、代表的な2つのデメリットを紹介します。

1.住める物件が限定される

借り上げ社宅の場合、住める物件が限定されます。
社宅によっては近くに学校や商業施設がない不便な場所もあるかもしれません。
また、家が古い、設備が使いにくいといった希望に合わない物件の場合もあります。

借り上げ社宅は企業によって物件に差があります。
「借り上げ社宅はあるけれど、あまりにも不便なので誰も住まない」といったケースもあるでしょう。
このほか、独身者には広くて住みにくい、家族が一緒に住む物件がないといったケースもあります。

2.会社側の負担が増える

借り上げ社宅を維持するには、費用がかかります。
家賃のほか、更新料などがかかる物件もあるでしょう。
また、賃借した社員がきれいに使っていればいいのですが、使い方が悪く退去する際に設備などを入れ替える必要がある場合は、それも会社の負担になる可能性があります。

このほか、東京など都市部では家賃が高く、従業員と折半とはいえ会社の負担が重くなるケースもあるでしょう。
会社の業績が安定していれば問題ありませんが、下がった場合は借り上げ社宅の維持が難しくなります。

借り上げ社宅以外の家賃補助方法は?

借り上げ社宅以外の家賃補助方法には以下の2つがあります。

・家賃補助
・社有社宅

家賃補助は、会社が家賃の一部を給与に上乗せして支払う方法です。
一律で決まっている会社が多く、足が出た分を従業員が負担します。
家賃の一部を補助してもらえるので経済的な負担は軽くなりますが、家を借りる手間などは従業員が担わなければなりません。

社有社宅は、会社が所有している建物に従業員が居住するもので、会社の寮などが該当します。
会社が所有しているので、家賃が格安な物件も多いのですが、民間の賃貸物件に比べるとメンテナンスが不十分なところもあります。
また、社有社宅は維持費がかかるので、大企業や公的機関以外で所有している会社は少ないでしょう。

まとめ

借り上げ社宅は、家賃が補助されたり節税になったりするメリットがある一方、住める家を選べないといったデメリットもあります。
会社も借り上げる物件を慎重に選ばなければ、福利厚生の一環として借り上げ社宅を作っても入居希望者が誰もいないといったケースになる可能性もあるでしょう。

癒し・くつろぎの場である家は大切な空間です。
借り上げ社宅のメリット・デメリットや特徴を知ったうえで、慎重に選びましょう。