支え合い 寄り添う心大切 全盲の落語家・桂福点さん 平戸で寄席

2019/08/05 [10:29] 公開

寄席で人が支え合うことの大切さを呼び掛ける桂福点さん=平戸市未来創造館

 全盲の落語家、桂福点さんの寄席が3日、長崎県平戸市岩の上町の市未来創造館であり、支え合いの心を持つことの大切さを呼び掛けた。
 兵庫県出身の桂さんは、中学生のとき視力を失ったが、音楽に親しんでいたことから1986年に大阪芸術大に進学し音楽療法を研究した。
 1996年に落語家の桂福團治氏に入門。当時は、縦割り社会の落語界には「障害者に名前をやるな」という差別が残っており、10年以上かかってようやく芸名をもらえたという。この時に、ファンクラブの後押しがあったことから、人の支えのありがたみを感じたという。
 桂さんは、一緒に生きる仲間がいることを障害者に伝え、寄り添うことが必要と強調。約100人の聴衆に「障害のある人が生きやすい場所をつくることが、社会全体を変えることにもつながる」と訴えた。
 寄席は3、4両日に開かれた「平戸図書館まつり」の一環で、市図書館友の会(丹澤明会長)が企画した。