重箱におせちを詰める際の「決まり事」とは?

詰め方3

 

毎年何気なくつまんでいるおせちにも、実は料理の詰め方に決まり事があるのをご存知でしょうか。今回は少子化や核家族化の流れの中でポピュラーになってきている「二段重」についてご紹介します。

 

一段目は「祝い肴」

祝い肴という言葉を初めて聞いた方も多いと思います。
祝い肴とは、お正月のお祝いにちなんだ一品とのこと。地域によっても違いがありますが、田作り、数の子、黒豆の「祝い肴三種」が主流のようです。
その他には子孫繁栄を願う子持ち昆布や、長寿を願うエビなどがあります。

 

二段目は「焼き物、煮物」

焼き物は魚であれば鰤や鯛、お肉であれば鶏や鴨が一般的だと言えるのではないでしょうか。最近だとローストビーフが入っているおせちも見かけるようになりました。なだ万のおせちにも「多久味(たくみ)」「正月万菜(しょうがつまんざい)」にはローストビーフが入っています。
酢のものであれば紅白なますや、レンコンの酢の物である「酢蓮(すばす)」がよく入っていますね。味の濃い料理が多いおせちには欠かせない一品です。
煮物はいわゆる「煮しめ」のこと。実はこの煮しめにも由来があるのです。里芋は子孫繁栄など、具材の一品一品にも意味があるのですが、煮しめそのものにも「色々な具材が一緒になっている=家族全員が円満でいられるように」という願いが込められています。

 

Text: 中野 晃子(ライター。飲食関連の記事を得意とする。趣味は飲み歩きと料理と散歩。)