第1節 都市交通問題の変遷


1 戦後の都市過密化

 高度成長期においては、産業構造の急速な高度化及びその都市部への集積が進行した結果、3大都市圏を中心に都市過密化が進展した。



2 都市問題と都市交通問題

 公共交通機関の整備や道路整備が、都市過密化やモータリゼーションに伴う交通需要の増大に追いつかず、「通勤地獄」といわれた鉄道混雑や「交通戦争」といわれた自動車交通事故のほか、道路交通渋滞、道路交通公害など都市交通問題が惹起した。


3 都市の構造変化と都市交通問題

 オイルショックを経た我が国経済は、昭和50年代以降、安定成長の時代へと移行したが、都市の拡大と過密化の状況は、一時鈍化したものの、その後再び進展した。
その後の昭和から平成の時代にかけてのバブル経済期においては、都市部における急激な地価の高騰が起こり、都心部人口は減少し、都市圏は拡大した。


(都市交通問題の深刻化)

 住宅地の郊外への拡大に伴い勤労者の通勤時間は一層伸長し、鉄道新線の整備等輸送力の増強を図ったにもかかわらず混雑率の緩和のペースも鈍化した。
 交通事故については、政府を挙げての対応にもかかわらず、国民のライフスタイルの変化などを背景として、事故死者数が昭和63年から平成7年まで8年連続して1万人を超えるなど深刻な状況が続いた。


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