福島県内初の公道での自動運転バスの実証運行が9日、田村市で始まった。22日まで1日8便が市内船引町の商業施設や学校、医療機関などを巡る。高齢者ら交通弱者の移動手段を確保し、暮らしやすい地域づくりを推進する。市は安全性や利用状況などを詳しく分析し、2024(令和6)年度以降の本格導入を目指したい考えだ。
高齢者らの外出を促し、市中心部のにぎわい創出につなげることも目的としている。本格運行できれば、高齢化や人口減少に伴う公共交通機関の人手不足という課題の解消にもつながると市は期待する。
バスは市中心部のJR船引駅発着で、船引高などを経由する「通学利用ルート」(3・1キロ)と、医療機関や室内遊び場などを通る「日中走行ルート」(5・5キロ)の2コースを設定した。30分から1時間おきに走る。
フランス製の電気自動車(乗客定員10人)を使う。自動運転の5段階の区分のうち「レベル2」に該当し、同乗するオペレーター1人が必要に応じて手動で介助する。バスにはGPSと八つのセンサーが付いており、交通状況や障害物の有無などを判断して走行する。万が一の事態に備え、走行中は遠隔でも監視する。
実証運行期間中の運賃は無料。国の補助事業を活用している。
初日は、船引高で出発式を行い、白石高司市長らがテープカットした。白石市長は、将来的にはレベル4(特定条件下における完全自動運転)の実現に意欲を示し、「自家用車がなくても暮らし続けられるまちを目指したい」と述べた。
動画のURLは、https://youtu.be/GkFEuqhbmbg