東日本大震災・原発事故

国と東電に「緊張感を持ってもらいたい」福島県漁連の野崎哲会長 処理水海洋放出から1週間

2023/09/01 09:47

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会合後に報道陣の取材に応じる福島県漁連の野崎会長
会合後に報道陣の取材に応じる福島県漁連の野崎会長

 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出開始から1週間が経過し、福島県いわき市で取材に応じた県漁連の野崎哲会長は、国と東電に「緊張感を持ってもらいたい」と訴えつつ、市況に大きな影響が出ていない点は「冷静に判断してもらっている」との見方を示した。

 野崎会長は「大きな問題なく進んでいる。これを今後1カ月、1年、数年とやらないといけない。国、東電には緊張感を持ってもらいたいし、我々も注視していく」と強調した。市況については今の所は影響が見られないとして「我々の不安感よりも冷静に判断して頂いている。これが続けば良い」と語った。

 9月1日に底引き網漁が再開される。「海洋放出は大きな変化だが、漁業者には冷静に対応してもらっている。これからも頑張って魚を捕りましょうと言いたい」と思いを明かした。

 中国の水産物輸入停止については海洋環境などの観点での反対ではないとの見方を示し「我々は漁獲物の安全性を主張していくだけだ」と冷静に応じた。

 放出後から「常磐もの」の注文が増えたり、応援の声が寄せられている。「漁業者は風評被害を考えると不安が大きくなってしまうが、経験値も上がっている。温かい支援で我々も頑張っていける」と話した。