東日本大震災・原発事故

福島県内の震災と原発事故の語り部団体がネットワーク会議を発足 会長に青木さん

2022/11/07 09:15

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県内の震災語り部団体の連携組織を発足させ、伝承活動していくことを確認する関係者
県内の震災語り部団体の連携組織を発足させ、伝承活動していくことを確認する関係者

 福島県内の震災語り部団体の連携組織「東日本大震災・原子力災害ふくしま語り部ネットワーク会議」が6日発足した。双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で設置会合が開かれ、会長にNPO法人富岡町3・11を語る会の青木淑子代表、副会長にいわき語り部の会の大谷慶一会長を選んだ。

 県内各地の17団体で構成し、県が事務局を担う。県の「次世代へつなぐ震災伝承事業」として、(1)ネットワーク・レベルアップ(2)人材育成(3)県外などへの語り部派遣-を柱に事業を進める。語り部の活動が全国に広がり、風化防止と風評払拭、交流人口の拡大などにつなげる。

 来年1月中旬に情報や課題の共有を図るため、交流会を開く。会議のメンバーだけでなく、県内で活動している個人の語り部の参加も呼びかける。

 人材育成に向け、会議の専門部会として次世代伝承者育成プログラム検討プロジェクトチーム(PT)を設ける。学識経験者、会議構成員、報道機関で組織する。今月下旬、次世代伝承者育成プログラム案の検討に入る。

 青木会長は「個々の活動で継続していくのは難しい。(各団体が)結び合わなければ力にならない」と語った。

   ◇  ◇

 設置会合には委員10人が出席。永田嗣昭県文化スポーツ局長が「震災の記憶の風化が懸念される中、語り部活動の重要性が増している」と連携組織設置の意義を語った。

 ▽構成団体=會空、いわき語り部の会、おおくま町物語伝承の会、大熊未来塾、大堀相馬焼協同組合、原発震災を語り継ぐ会、ニコニコ菅野農園、相馬市観光協会、NPO法人富岡町3・11を語る会、浪江まち物語つたえ隊、ならはみらい、ばんげ読み聞かせの会、東日本大震災・原子力災害伝承館、HITOkumalab、藤沼湖自然公園復興プロジェクト委員会、双葉未来会議、南相馬市観光ボランティアガイド