エイズとは
AIDS
Acquired Immunodeficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)
病原体−HIV(Human Immunodeficiency Virus
:ヒト免疫不全ウイルス=エイズウイルス)
HIVに感染すると、体内の免疫機構がしだいに破壊されて体の抵抗力が低下する。そのため、種々の病原体はもちろんのこと、健康な人にとって害のない、自然環境に普通に存在している細菌・ウイルス・カビなどが体内で増殖するのを防ぎきれなくなる。その結果、重い肺炎にかかったり、舌や食道にカビがはえるなどの様々な病気に侵されてしまう。
症状
HIVに感染しても、最初の半年から10数年は症状がない期間が続く。感染した直後(1〜2週間後)に一時的にかぜに似た症状が出るのは少数である。ゆえに、感染した本人さえも感染に気付かずに過ごしてしまうことがある。
長い無症状期の後、「エイズ関連症候群」といわれる状態になり、発熱、急激な体重の減少、下痢、リンパ腺の腫れ、疲れやすくなるなどの症状が出現する。さらに、免疫力が低下して、カリニ肺炎(カリニ原虫によりおきる肺炎)などの重症感染症、カポジ肉腫(ヒフにできるガンの一種)などの悪性腫瘍、エイズ脳症などの神経障害が起きると「エイズ」を発病したと診断される。
参照
http://www.gulf.or.jp/^houki/iryou/byouki/aids.html
なぜ、発症までの個人差が大きいのかについては、はっきりとしたことは解明されていないが
いくつかの説がある。
1.
感染量の問題、感染経路2.
感染から発病までに起こる病態生理について、1)CD4+T細胞に感染する。感染細胞中で複製するまでの課程について
まず、細胞の遺伝子の中にアトランダムに潜り込む
潜り込んだ染色体の場所がさまざまであること。次のステップは、
2)CD4+T細胞が外からの抗原刺激やその他の非特異的な刺激によって
HIV 遺伝子が活性化されて、子孫を100のオーダーで作り出す。
(CD
4+T細胞は破壊される〕3)子孫はさまざまな変異をしているが再びCD4+T細胞やマクロファージに感染する
1)の課程を繰り返す。
4)上の課程を繰り返してゆく間に血液中のCD4+T細胞数が200/μlをきると
日和見感染を発症するようになって、AIDSとなる。
たものがある。
以上の総和で発病までの期間に大きな差が見られる。
ちなみに
HTLV-1 感染症は母親から垂直感染をした子供が平均40歳ごろに成人型T細胞白血病となる。なぜこんなに長い期間ウイルスはT細胞のなかに潜り込んでいるのか、いろいろの説がある。
感染経路
座席、電話、つり革、衣類、洗濯、蚊(昆虫)、ねずみ、ペット、食べ物、食器、咳、
くしゃみ、唾液、シャワー、入浴、風呂場、プール、握手、キスや献血では感染しない。
人から人にしか感染しない(動物のエイズが人にうつることはない。)HIVは感染者の血液、精液、膣分泌液には多く存在するが、涙、汗、唾液、鼻汁にはほんのわずかしか存在しない。また、HIVは感染力が弱いので、特別な条件が整わなければ感染しない。つまり、血液、精液、膣分泌液が皮膚や粘膜の、しかも傷のある部分を通過してある程度の量のHIVが体内に侵入しない限りは感染しない。したがって学校生活や日常生活で、感染することはない。
診断 [後天性免疫不全症候群]
AIDS発症のマーカーとなる病変として,以下の疾患群を挙げることができる.
A
.HIV感染による日和見感染症原因菌の基本的病原性は低いが,細胞性免疫不全があるので重い病状を呈する.治療には長期間を要し,一時軽快しても再発しやすい.
CD4+Tリンパ球は200/mm3以下に減少している.
日和見感染症 ・結核 ・カンジダ症 ・クリプトコッカス症 ・非定型抗酸菌症 ・ニューモシスチス・カリニ肺炎 ・トキソプラズマ症 ・サイトメガロウイルス感染症 ・単純ヘルペス感染症 ・真菌感染症 ・原虫感染症 ・カポジ肉腫 ・非ホジキンリンパ腫瘍 ・進行性多巣性白質脳症 ・エイズ痴呆症候群
それぞれの病態、症状、治療法などの詳細については http://www.amda.or.jp/contents/database/5-8/hiv3.html
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