盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和6年1月5日)

令和6年1月5日(金曜日)
教育、文化、その他

キーワード

令和6年能登半島地震への対応,被災地域の各学校の再開に向けた支援,大学入学共通テストの追試験の特例措置、被災した受験生への支援策,新潟県の「佐渡島の金山」の被害状況と世界遺産認定に向けた影響,避難児童生徒のオンラインによる学習機会の確保について

盛山正仁文部科学大臣記者会見映像版

令和6年1月5日(金曜日)に行われた、盛山正仁文部科学大臣の記者会見の映像です。

令和6年1月5日盛山正仁文部科学大臣記者会見

令和6年1月5日盛山正仁文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

盛山正仁文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 冒頭、私のほうから1件、発言をさせていただきます。
 御案内のとおり、1月1日16時10分頃に発生をいたしました、令和6年能登半島地震につきまして、亡くなられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。私ども文部科学省の対応状況といたしましては、1日に災害情報連絡室を、そして翌2日には非常災害対策本部を設置し、被害情報の把握に努めるとともに、政府の現地対策本部に審議官ら3名の職員を派遣しているほか、被災した学校施設の復旧支援のため専門家を現地に派遣しております。また、私が本部長を務めます地震調査研究推進本部の地震調査委員会を1月2日に開催し、今回の地震の評価を取りまとめたところです。あわせて、被災した児童生徒等に対しまして、適切な支援を届けるため、一昨日3日ですが、受験生や保護者の方に向けて大学入学共通テストの特例措置等を盛り込んだ大臣メッセージを発出するとともに、昨日4日、被災地域の児童生徒等の安全確保について教育委員会等へ通知しております。引き続き、被災地域のニーズなどを踏まえつつ、関係機関ともよく連携をしながら、児童生徒・学生等の就学機会や受験機会の確保に向けて、被災者に寄り添った支援に全力を尽くしてまいります。
 私からは以上です。

記者)
 今回の震災はまだ発災直後ではありますが、当初の各学校の予定ではこの3連休明けには学校が開始する予定という時期でありました。しかし、先ほどのお話にもありましたようにまだ被害状況も把握できていない状況にあります。この状況において文部科学省として、今いくつか支援の御説明がありましたけれども、特にこういったことに重点をおいて支援を進めたいと思うことがありましたらお話ください。

大臣)
 来週以降、多くの学校において新学期がスタートすることから、被災地のお子さんたちが安全・安心な環境の中で学校生活を送ることができるよう、昨日4日、被災地域の自治体等に対しまして、新学期の開始については、児童生徒等の安全確保を最優先に柔軟に取り扱うこととし、児童生徒等の安全が確保され次第、学校教育活動を開始することや、学校施設等において学校教育活動を開始する際の留意点等について通知をしたところです。これらに加え、文部科学省としては、被災地域の児童生徒等の就学機会の確保等に向け、就学援助等について被災者に寄り添った弾力的な対応を求めることや、被災地の要望に応えて、スクールカウンセラーの追加配置等を行い、児童生徒の心のケアの充実を行うこと、教職員の加配や学習指導員等の追加配置の支援を行うことなどの必要な取組を行っていきたいと考えております。

記者)
 今月行われる共通一次テストですけれども、被災地の皆さんに対してはどういった対応をお考えでしょうか。

大臣)
 一昨日メッセージを出したところでございますが、次の週末ですね、今月の13、14日の大学入試共通テストの本試験については、予定どおり実施することとしております。個別の試験会場の状況については、できるだけ速やかに確認を完了したいと考えております。また、地震の影響により本試験を受験できない受験生につきましては、その2週間後27、28日に実施される追試験を受験できるように特例措置を講じることとしております。被災した方々が受験しやすいよう、現在、被災地の大学等と連携し、追試験会場の設置に向けた検討を具体的に進めているところです。これらの進捗状況については、文部科学省及び大学入試センターのホームページ等において随時公表するほか、SNSなどにより発信していくこととしております。

記者)
 先ほど大臣、冒頭発言で就学機会や受験機会の確保ということがあったのでそれに関連してお尋ねします。共通テストも含めて、これから大学受験を控えている高校生たちが被災地にも当然いると思います。被災地の声を聞いていると受験票をなくしたとか、見つからないとか、あと能登の子どもたちは毎年、金沢のほうまで前日に出て前泊をしてテストを受けるということが毎年のことになっていると、そうした大学受験を控えた高校生たちに向けた支援の必要性ですとか、もしくは具体的に今考えていらっしゃること、これから検討したいことというのがありましたら教えてください。

大臣)
 被災された高校生の皆さんが、大学の入学試験においてその力を十分発揮していただけるような環境を整える必要があると考えております。文部科学省としては、被災した受験生に不利益がないよう、今後、交付済みの受験票の焼失等に係る配慮、調査書を入手できない場合の事後提出をはじめ、出願方法や受験当日の手続きの弾力化をできるだけ図るよう、各大学に対して依頼していく考えです。なお、共通テストの追試験会場を、県内のどの市町村に設置するかにつきましては、被害状況や関係者のニーズを踏まえつつ、現在、調整を進めているところでございます。まだ決定されておりません。我々としましては、被害状況やライフライン等の復旧の状況、受験生の動向等を十分見極めつつ、引き続き受験生に対する支援を進めてまいりたいと考えています。

記者)
 震災被害を受けた文化財についてお尋ねいたします。国宝を含む文化財が被害を受けたということで昨日、報道発表もいただいていますが、世界遺産登録を目指す佐渡金山に含まれている佐渡金銀山遺跡ののり面の崩落ということで発表いただいております。世界遺産に含まれる部分についても被害が出ているとは伺っていますが、詳しい状況及び世界遺産登録に向けた状況というところで影響等ありましたらお教えください。

大臣)
 「佐渡島の金山」について、現時点で大きな被害はないと新潟県より報告を受けております。世界遺産登録に向けた状況としては、昨年から引き続き、国際記念物遺跡会議、イコモスのことです、イコモスによる審査が行われているところですが、今回の地震による審査への特段の影響はないものと我々は考えております。引き続き、新潟県、佐渡市、関係省庁と連携しながら、世界遺産登録の実現に向けて取り組んでまいります。

記者
 少し先の話になるかもしれないのですけれども、被災した児童生徒が遠方の親戚の家などに例えば避難されていて、それで学校が再開した際に授業を受けたいとなった場合に、例えばオンライン配信で授業を受けられるようにするか、またその場合基本的には義務教育ではオンラインをもってしては授業を受けたことにはならないかと思うのですけれども、オンラインの授業を受けたことをもって授業を受けたと認定するかなど、現時点でお考えがあれば教えてください。

大臣)
 これからということになります。まだ状況その他が把握しきれていないところ、あるいはまだ被災地はまだ余震が続いているということで、完全に落ち着いていないということではございますけれども、とにかく生徒さんの安全確保、これがやっぱり再重要ということじゃないかと思います。そして、その中での就学機会の確保ということでございます。我々は昨日4日の通知におきまして、全国の自治体に対し、被災した児童生徒等から学校への受け入れの希望があった場合には、可能な限り弾力的に受け入れることが望ましいという旨をお示したところです。加えて、今御質問にありましたとおり、ICTなどを活用した学習指導を含め、就学機会の確保等に関する留意点については、追って改めて各自治体に示したいと考えております。我々としましては、被災児童生徒等の学びの継続に向けて、引き続き、被災地の状況を注視しながら必要な支援を行っていきたいと考えています。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室