Interview 孝文役 小松拓也くん
若林家の長男・孝文役の小松拓也くん。ひきこもっていながら夜はホストという難しい役どころですが、これまで台湾の芸能界で活躍していた経験と度胸で乗り切っています。実は「桜咲くまで」のクランクインは、六本木でホストをしている小松君のシーンからだったんですよ!

―孝文ってどんな人ですか?
 今まで、母親の期待にこたえようと真面目だけで生きてきて、ついに壁にぶつかってしまったんですねー。ひきこもっている時は考える事すら疲れてしまって、彼としては本当の意味での休憩をしているんだと思います。

―小松君自身はそういう経験はありますか?
 軽い挫折ぐらいなら(笑い)。そんな時は、僕は歌が大好きなのでブルース・スプリングスティーンやエリック・クラプトンの淋しい曲かけて、悲劇のヒーロー気分に浸ります。すると不思議に落ち着いてくるんですよー。

―芸能界に入ったきっかけは?
 高3の時、実は進路の事ですごく悩んでたんです。「いったい自分は何がやりたいんだろう?」っていろいろ考えていたのに見つからなくて。とりあえず進学なのかなー・・・とぼんやり思っている時にスカウトされました。だから菜穂子の気持ちはちょっと分かります。

―台湾に行くことは迷いはなかった?
 まず「中国語勉強してみないか?」っていわれた時に、不思議な縁を感じたんです。実は、母がもう他界しているんですが、僕が14歳のときに家族で中国旅行にいったんです。母はすごく楽しかったみたいで、それから中国語を習うようになったんでけど、その頃僕や兄弟は反抗期で、家族のコミュニケーションがあんまりなかったんです。ですから母の姿で覚えていることといったら中国語を勉強している姿ぐらいで・・・。その後他界してしまったのでとても悔いが残ったんです。だからこれは、母の遺志を継いでいるんだなあと、この縁を大切にしようと思いました。

―台湾での経験はいかがでしたか?
 あちらの芸能界の事を全く知らずにまっさらの状態で飛び込んだおかげで、ネームバリューとか表面的なことにとらわれず、肌でそのすごさを感じられたのはとてもいい経験でした。もちろん違う文化の中で仕事をしていく事で、精神的な強さも得られました。

―このドラマのどんな所を見て欲しいですか?
 体当たりで演じている孝文を見て欲しいです。それから「桜咲くまで」というタイトルがすごく好きなんです。複雑な家族の関係が、だんだん心地よいものに変化していくとても美しい物語なので、最後までちゃんと見て欲しいと思います。

小松君は普段もとっても真面目で礼儀正しい好青年です。例えば、待ち時間にビデオで見た「戦場のピアニスト」について感じたことを、熱っぽく語ったり。そんな彼だからでしょうか?収録の合間に、スタジオの隅っこで行われている渡辺裕之さんの演技指導も、ついつい力が入るようです。