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農林水産省

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aff 2019年9月号

避難所と支援物資

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住宅への危険が予想される場合や住宅が損壊した場合など、
生活の場が失われた際に一時的に身を寄せる避難所。多くの人が同じスペースで一緒に過ごす避難所では、
何よりもお互いへの配慮が欠かせません。国や自治体からの支援物資も、すぐには届きません。
スペースはもちろん、水や食料品なども限られているので、助け合いや譲り合いの気持ちが大切です。

避難所における生活

NPO法人「ママプラグ」理事の冨川万美さんに話を伺いました。

避難所で支給される主な物資

災害の規模にもよるものの、国や自治体による支援が機能し始めるのは、発災からおおむね4日目以降。それまでは、各自治体による備蓄に頼ることになります。例えば、乾パンやインスタント麺、米、缶詰、飲料水など。ただし、インスタント麺や米はライフラインが遮断されていた場合、当然食べることはできません。特に、アレルギーや持病がある場合、個々のニーズに対応した支援が受けられるとは限りません。

避難所で支給される主な物資

避難所生活における注意点

普段とはすべての面で異なる避難所での生活。その中でも、トイレは最初に直面する問題のひとつですが、我慢すると重篤な病気の引き金にもなるので、絶対に我慢しないようにしましょう。また、トイレに行きたくないからと、水分補給をしないのも危険です。

さらに、多くの人が生活を共にする避難所では、さまざまな方が身を寄せていることを前提に行動することが重要です。例えば、体が不自由な方、宗教による食物禁忌がある方、妊産婦などが挙げられます。お互いを思いやりながら生活することが大切です。

避難所生活における注意点

プッシュ型支援

発災当初は、被災自治体において正確な情報把握に時間を要すること、また民間供給能力が低下することなどから、被災自治体のみで必要な物資量を迅速に調達することは困難となります。「プッシュ型支援」は、こうした際に国が被災自治体からの具体的な要請を待たずに、避難所や避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に物資を緊急輸送する仕組みのことをいいます。

東日本大震災の教訓を糧に、2016年に発生した熊本地震の際に初めて実施されました。2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の際は、9月8日から13日の間に合計26万点以上の飲食料品を提供。道指定の一次集積拠点などを経由して、避難所などに届けられました。

プッシュ型支援

北海道胆振東部地震のときの様子。

平成30年7月豪雨におけるプッシュ型支援の事例

日清食品株式会社

(一社)日本即席食品工業協会を通じて、農林水産省からの支援依頼を受け、日清食品では支援を実施。最終納品指示から約22時間後に、岡山・愛媛の両県に合わせて約2万1,000食の即席麺と割り箸を供給しました。

こうした迅速な支援を可能にしているのが、災害などの緊急事態が発生した際に、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るためのBCP(事業継続計画)です。日清食品グループでは、災害時に需要が高まる即席麺の供給を維持するため、従業員の安否や工場などの拠点の被害情報を一元管理するシステムを構築。製品供給の継続に必要な対応を迅速かつ適切に行える体制を整えています。

物流拠点に集められた日清食品の支援物資。

物流拠点に集められた日清食品の支援物資。

プル型支援

「プル型支援」とは、被災地にヒアリングした上で、要請があった支援物資を被災地に送ることです。

平成30年7月豪雨の際には、大規模自然災害発生時に物資やサービスなどの支援をワンストップで提供する、日本発の民間主導による緊急災害対応アライアンス「SEMA(シーマ)」が初めて稼働しました。これは国内の民間企業45社とNPO6団体が連携し、平時から加盟企業や団体が持つ物資・サービスなどをリストとして集約。各社が提供できる物資を、迅速に被災地に届けられるようにしています。

SEMAに加盟している市民団体(CSO)が現地で被災者にヒアリングを行い、現地ニーズを把握。/現地ニーズに基づき、加盟する民間企業の間で調整を行い、必要とされる量だけ支援物資を提供。/提供された支援物資は、加盟企業の協力により被災地へ輸送し、市民団体によって被災者に届ける。

お問合せ先

大臣官房広報評価課広報室

代表:03-3502-8111(内線3074)
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