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農林水産省

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蚕種製造

明治150年 イメージ画像

蚕の卵を蚕種といいます。卵の直径は1.5mm程度で円形をしています。孵化直後の蚕は黒い毛で覆われていることから「毛蚕(けご)」や、蟻のように見えることから「蟻蚕(ぎさん)」などと呼ばれます。ここでは、蚕の種繭雌雄鑑別器(たねまゆしゆうかんべつき)や蚕卵紙など、蚕種製造に必要な道具類をご紹介します。

普及団式種繭雌雄鑑別器(ふきゅうだんしきたねまゆしゆうかんべつき)(大正期)

1粒繭用種繭雌雄鑑別器。重い繭は下がり、軽い繭は上がる天秤の原理を利用し雌雄鑑別をする。松本市の大日本一代交配蚕種普及団(片倉)で考案し、使用された。

普及団式種繭雌雄鑑別器(ふきゅうだんしきたねまゆしゆうかんべつき)(大正時代)

1粒繭用種繭雌雄鑑別器。雌の蛹は重く、雄のそれは軽いので、その重さを比較して雌雄鑑別を行った。大正5年、松本市の大日本一代交配蚕種普及団(片倉)で考案し、使用された。

大沢式種繭鑑別器(おおさわしきたねまゆかんべつき)(大正期)

回転式種繭雌雄鑑別器。天秤の原理による。繭8個をそれぞれの皿に乗せて回転させ、雌が重く、雄が軽いという重さにより、落下する場所が異なるように作られ、雌雄を鑑別する。上伊那郡 片桐村大沢太郎氏考案。

種繭切開器(たねまゆせっかいき)(大正期)

種繭の雌雄鑑別をするために繭の破風部を切開し、蛹を取り出すために使用する。金属製。

蚕卵紙用版木(さんらんしようはんぎ)(明治)

蚕卵紙の裏面に印刷する版木。蚕品種名、製造者の屋号などを種紙に印刷した。岩代梁川浅野徳右衛門の使用したもの。木製版木 27×13.5cm

蚕卵紙用版木(さんらんしようはんぎ)(大正期)

蚕卵紙に印刷する版木。35マスあり、表面には漢数字、裏面にはイロハ文字が彫られている。印刷した蚕卵紙の上に丸い形の蛾輪を乗せ、一蛾ずつ蛾輪の中で卵を産ませる。22..5×35cm。

蚕卵紙(さんらんし)(明治初期)

蚕品種:青白(せいはく)。この品種は信州上田塩尻村の藤本善右衛門が育成した。明治初期にヨーロッパへ多く輸出された。蚕卵紙の上に蛾をのせて産卵させたもの。

蚕卵紙(さんらんし)(明治30年)

蚕品種:春蚕(はるご) 又昔(またむかし)。福島県伊達郡伊達崎村 石幡新三郎 製造。蚕卵紙の上に蛾をのせて産卵させたもの。表面の名前は養蚕家の名前。裏面には検査証が貼られている。

蚕卵紙(さんらんし)(明治31年)

蚕品種:春蚕(はるご) 又昔(またむかし) 四号。35蛾付。福島県伊達郡伊達崎村 石幡吉四郎 製造。蚕卵紙の上に蛾輪(がりん)をのせ、枠の中に1蛾ずつ入れて産卵させた。産卵後、1蛾ずつ微粒子病(びりゅうしびょう)の検査を施し、「有毒」の印の押した卵は取除かれている。裏面に検査管理印がある。

蛾輪(蛾輪)(がりん(がきょう))(明治中期)

35蛾用の丸枠で、この中に1蛾ずつ入れて産卵させる。木製、24cm×31cm。

蛾放尿器(がほうにょうき)(大正)

雌蛾を蚕卵紙上の蛾輪に入れる前に、蛾の体液で蚕卵紙を汚さぬようにこの器に入れる。

蚕卵紙立て具(さんらんしたてぐ)(大正)

蚕卵紙を立てて保存するもの。

富国式種繭雌雄鑑別器 (ふこくしきたねまゆしゆうかんべつき)(大正時代)

1粒繭用種繭雌雄鑑別器。雌の蛹は重く、雄のそれは軽いので、その重さを比較して雌雄鑑別を行った。天秤の原理で繭が上方へ行くと軽く、下方では重くなる現象を利用し、装着していあるネジで軽・重の限界値を設定することにより、雌雄の区分けができる。

富国式種繭雌雄鑑別器 画像1
富国式種繭雌雄鑑別器 画像2
富国式種繭雌雄鑑別器 画像3
富国式種繭雌雄鑑別器 画像4
富国式種繭雌雄鑑別器 画像5

改良富国式種繭雌雄鑑別器(かいりょうふこくしきたねまゆしゆうかんべつき)(大正期)

1粒繭用種繭雌雄鑑別器。重い繭は繭置台が回転し、すべり台へ落ちることによ雌雄の鑑別ができる。

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改良富国式種繭雌雄鑑別器 画像5

鴨原式種繭雌雄鑑別器(かもはらしきたねまゆしゆうかんべつき)(大正期)

5粒繭用種繭雌雄鑑別器。天秤の原理によるもので、5粒の繭を同時に鑑別できる。福島県伊達郡伏里村鴨原忠助氏考案。

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鴨原式種繭雌雄鑑別器 画像4

蛾輪(蛾輪)(がりん(がきょう))(明治中期)

56蛾用の角枠で、この中に1蛾ずつ入れて産卵させる。木製、37×31cm。

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蛾輪(蛾輪) 画像3

蚕卵紙用版木(さんらんしようはんぎ)(明治)

蚕卵紙の裏面に印刷する版木。蚕品種名、製造者の屋号などを印刷した。29×42cm。

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蚕卵紙用版木 画像3

蚕卵紙(さんらんし)(江戸(宝暦年間))

蚕品種:如来堂(にょらいどう)。元文年間(1736-41)頃から飼育された品種で、この蚕卵紙(さんらんし)は宝暦年間(1751-64)のもの。蚕卵紙の上に蛾(が)をのせて産卵させたもの。

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蚕卵紙(さんらんし)(江戸(宝暦年間))

蚕品種:中如来(ちゅうにょらい)。この品種は寛保年間(1741-44)の頃、奥州伊達地方において蚕品種「如来堂」から選出した品種。蚕卵紙の上に蛾をのせて産卵させたもの。

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蚕卵紙(さんらんし)(江戸(文久年間))

蚕品種:青錦(あおにしき)。文久年間(1861-64)に福島県伊達郡伊達崎村 石幡吉四郎 製造。蚕卵紙の上に蛾をのせて産卵させたもの。

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蚕卵紙 画像2

蚕卵紙(さんらんし)(明治36年)

蚕品種:薄赤(うすあか)。福島県掛田金子町 菅野平右衛門 製造。蚕卵紙の上に蛾輪をのせ、枠の中に1蛾ずつ入れて産卵させた。微粒子病(びりゅうしびょう)の検査済のもの。

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蚕卵紙(さんらんし)(明治21、2年頃)

蚕品種:不明。表面には繭の形の中に「春蚕(はるご)」と書かれている。福島県伊達郡伊達崎村 石幡吉四郎 製造。蚕卵紙の上に蛾をのせて産卵させたもの。裏面には山梨県の蚕業組合検査之証の印が押されている。また以下の墨書がある。「山梨県北都留郡郡上野原付近郡内地方に販売するたらん同地方にて顕微鏡病毒検査を受けた」

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蚕卵紙 画像2

蚕卵紙(さんらんし)(明治29年)

蚕品種:大白玉(おおしらたま) 第十二号。福島県伊達郡伊達崎村 石幡吉四郎 製造。蚕卵紙の上に蛾輪をのせ、枠の中に1蛾ずつ入れて産卵させた。裏面には「福島県伊達郡伊達﨑村蚕卵紙業組合検査の証」が貼付され、そこに押印されている。微粒子病(びりゅうしびょう)の検査済のもの。

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お問合せ先

農産局果樹・茶グループ

代表:03-3502-8111(内線4996)
ダイヤルイン:03-6744-2512
FAX番号:03-3502-4133
 


(掲載画像の使用許可申請について)
岡谷蚕糸博物館-シルクファクトおかや-

電話:0266-23-3489

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