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誕生からどう変わった?
移動通信システムと合わせて読み解くスマホの歴史

お役立ち知識
更新:2023.09.19
誕生からどう変わった?<br> 移動通信システムと合わせて読み解くスマホの歴史

今や、スマートフォンや携帯電話(フィーチャーフォン)は人々の暮らしに欠かせないものとなっています。誕生から大きく変化を遂げているスマートフォンですが、具体的にどのように変化してきたのでしょうか。
この記事では、スマートフォンの始まりや、携帯電話からスマートフォンに至るまでの歴史を、移動通信システムの世代とともにご紹介していきます。


1 スマートフォンの始まりはいつ?
2 スマートフォンの普及と関係が深い移動通信システムの歴史
   2-1 1G(1980~1990年頃)
   2-2 2G(1990~2000年頃)
   2-3 3G(2000~2015年頃)
   2-4 4G(2015~2020年頃)
   2-5 5G(2020年~)
3 今後のスマホや通信システムの進化に注目しよう

スマートフォンの始まりはいつ?

スマートフォンの始まりは、1994年に販売が開始されたIBM社による「Simon」のコンセプトモデルや、1996年に誕生したNokia社の「Nokia 9000 Communicator」だとされています。各モデルは、ディスプレイとキーボードを備えた、いわゆる携帯情報端末(PDA)に近い形状で、現在のスマートフォンとは大きく異なる見た目をしていました。

世界的には2000年前後から散見されていたスマートフォンですが、当時の日本では携帯電話の多機能化が進み、「ガラパゴス携帯(ガラケー)」と呼ばれる独自の進化を続けていたため、広く普及しませんでした。

現在のようなタッチパネルで操作するスマートフォンの形式を確立したのは、2007年に発売されたApple社の「iPhone」です。日本では2008年に2代目の「iPhone 3G」から販売が始まり、2009年にはAndroidスマホが登場しました。日本でスマートフォンの普及が急速に進んだのは、この2000年代終盤です。

スマートフォンの普及と関係が深い移動通信システムの歴史

スマートフォンの歴史と深く関係しているのが、4Gや5Gといった名称で用いられている移動通信システムです。数字の後ろのGは「Generation」の略で、5Gの場合は「第5世代移動通信システム」を指します。
ここでは、移動通信システムがどのように進化してきたのかご説明します。

1. 1G(1980~1990年頃)
1980年代に使われていた移動通信システムが1G(第1世代移動通信システム)です。持ち運びできる携帯電話の前身とされる「自動車電話」や、1985年に発売された肩掛け式の移動電話「ショルダーホン」などで採用されていました。

1Gは、ラジオ放送のように音声を電波信号にして伝送する「アナログ方式」を採用し、日本・ヨーロッパ・アメリカなど、地域別に開発が進められた点が特長です。
ノイズが大きい、盗聴されやすいといったデメリットがあったため、次世代以降ではそれらの解消も含めた開発が行われていきます。

2. 2G(1990~2000年頃)
1993年に登場したのが2Gで、データを0と1のデジタルデータに変換して伝送する「デジタル方式」を採用した通信規格です。小型でスリムな携帯電話が販売され始めたのも、1990年代前半頃になります。
1999年には、NTTドコモの「iモード」や、DDIセルラー(現KDDI・沖縄セルラー電話)の「EZweb」など、携帯電話によるインターネットサービスが開始されています。データ転送が容易になり、メールやWebサイトの閲覧など、携帯電話で行えることが拡大した時期です。

3. 3G(2000~2015年頃)
2Gまでの移動通信システムは、世界の各地で別々に技術開発が進められていたため、1台の携帯電話を世界中のどこでも使うことはできませんでした。その課題を解決するため、国際規格に準拠する通信規格として登場したのが3Gです。
2Gの通信速度(下り)が最大64kbpsなのに対し3Gでは最大3.6Mbpsと、通信速度も大幅に高速化しています。

2000年代前半の日本では、赤外線通信やワンセグ放送の受信、電子マネーといった独自機能を備えたガラパゴス携帯が主流でした。
また、BlackberryやiPhoneなど、最初期モデルのスマートフォンが登場し始めたのもこの頃です。

4. 4G(2015~2020年頃)
2015年頃に登場した4Gは、現在も数多くのスマートフォンなどで採用されています。3Gと4Gの過渡期には、3.5G(最大14Mbps)や4GLTE(3.9G・最大110Mbps)という通信規格も存在しました。
4Gの特長は、通信速度が最大1Gbpsと3Gよりさらに高速化している点です。4Gの登場によって、動画配信サービスの視聴やスマートフォンゲーム、音楽再生など、大容量のコンテンツを手軽に楽しめるようになりました。

5. 5G(2020年~)
最大10Gbpsの通信速度を誇り、将来的には20Gbpsに達するともいわれているのが、第5世代の移動通信システムである5Gです。超高速かつ大容量、低遅延、多数同時接続が可能という特長を備え、スマートフォンの通信速度向上以外の面でも、幅広い活用が期待されています。
例としては、遠隔医療や自動運転、多接続を活用したあらゆるモノのインターネット接続の実現などが挙げられます。

当面の間、5Gの通信速度は4Gより若干速い程度にとどまるとされていますが、普及が実現した際には、私たちの生活が大きく変化する可能性を秘めているといえるでしょう。

今後のスマホや通信システムの進化に注目しよう

携帯電話やスマートフォンに加え、データ通信に使用される移動通信システムは、誕生から数十年の間で飛躍的な進歩を遂げてきました。今では私たちの暮らしに欠かせないアイテムになっているだけでなく、通信システムのさらなる進化が今後の日常生活を一変させる可能性も想定できます。
スマートフォンや移動通信システムは、この先もさらに大きく進化していくことが考えられます。スマートフォンや移動通信システムの動向に注目してみるのも面白いかもしれません。

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