リラックスするなんて誰にでもできることだと思っていませんか? でも、常にストレスにさらされていたり、仕事中毒だったり、健康上の問題を抱えていると、そうかんたんにスイッチを「オフ」にできないこともあります。リラックス状態は、幸せと同じように、学習と練習によって手に入れるもの。そして、幸せと同じように、リラックスする方法を学ぶことは、あなたの健康と幸福にとって極めて重要なことなのです。そこで、慢性的な緊張状態から抜け出して、肩を休める方法をご紹介します。

よくあるストレス因子に対処する

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最初に、自分自身のライフスタイルが、あなたのリラックス能力を妨げていないかを確認しましょう。誰しもたまにはストレスでイライラすることはありますが、「厳戒態勢」の状態がずっと続くようでは問題です。劣悪な労働環境、家庭不和、金銭問題のほか、場合によっては周囲のガラクタまでもが、あなたを「厳戒態勢」へといざないます。それが心の中のものであろうと、よくわかっているストレス因子であろうと、常に何かに付きまとわれている状態で、リラックスなんてできるはずがないのです。

それに、あなたを緊張させているのは、必ずしも外的要因だけではありません。自分の価値観や性格が、そうさせている場合もあるのです。The Wall Street Journalの記事によると、アメリカ人の4分の1程度は仕事中毒に分類されるそう。さらに、およそ3%のアメリカ人は、長期休暇でリラックスを試みると病気になってしまうのだとか。つまり、ストレスが習慣になってしまっているのです。

ニューヨーク市にあるワイル医科大学精神科の研修医で、ストレスに関する脳研究の治験責任医師を務めたこともあるコナー・リストン氏によると、一部の人にとって、ストレスから逃れることは、糖代謝の変化や激しい気分の浮き沈みが伴うステロイドからの脱却に似ているといいます。

また、ストレスによる興奮状態のあまり、プレッシャーの高い仕事に引きつけられたり、新しい課題をどんどん積み上げてしまう人もいます。無意識のうちに納期や複雑なプロジェクトを自分に強いて、不要なストレスを創り出すことも。

そんな人を1週間ビーチに連れて行っても、リラックスできないことは明らかです。彼らにとって最高の休日とは、ハンググライダーでも料理教室でもいいので、物理的または心理的な刺激が伴うものでなくてはならないのです。

日常のストレスに対するリラックス法

  • 日常的に接しているストレス因子を見つけ、できれば、それに対する行動開始の方法を考える。例えば、誰かのストレスが伝染していると思われる場合、その人との距離を置いてみる。
  • 日記をつけることで、物事について深く考えるとともに、自尊心を高める。直接的な行動はできなくても、日常のストレス対処に役立ちます。
  • バカバカしいと思うかもしれませんが、自分を困らせていることについてまとめて悩む時間を取る。恒常的に悩むのではなく、悩む時間を作って悩めむことで、ストレスや不安を全面的に減らすことができます。
  • 栄養、運動、睡眠の「健康の3本柱」を大切にする。このうちどれか1つでも抜けると、あなたの健康が損なわれ、ストレスへの対処が難しくなってしまいます。
  • これに関連して、姿勢を正す。筋肉の緊張状態とストレスには密接な関係があります。正しい座り方や立ち方を心がければ、筋肉の緊張を和らげることができます。これが身体的なリラックスにつながり、さらには気持ちが落ち着くことになります。
  • 仕事中毒の場合、完璧主義をやめる。休止時間が発生しない範囲で、生産性を高める努力をやめてみましょう。これは、感情的な人ほど難しい作業です。それに、視点を変えるには努力が必要。自分の限界を知り、自分が制御できるものとできないものを受け入れましょう。

リラックスするための詳細テクニックは以下に紹介しますが、ますは慢性的なストレス因子への対処から始めてはいかがでしょう。

 

適度な息抜き方法を知る

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適度に息抜きすることで、バーンアウトを防ぐことができます。ただし、息抜きが息抜きになっていない人もいます。心の中で仕事のことを考えていたり、一見仕事に見えない仕事をしていたり(スマホでメールチェックなど)。

真の休息を取るには、「何もしない」状態を心地よく感じられるようにならなければなりません。つまり、お茶を飲みながら窓の外を眺めたり、公園のベンチに座っていても、「こんなところにいていいのかな」と思わない状態です。

仕事のストレスに対するリラックス法

リラックスを習慣にする

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リラックスできるアクティビティは人それぞれ。もしかしたら、ただテレビの前で座っているよりも、ガーデニングや執筆の方がリラックスできるかもしれません。定番のリラックス法がうまくいかなければ、新しいことに挑戦してみるといいでしょう。

長期的なリラックス法

  • 瞑想、深呼吸、イメージトレーニング(ビーチやその他リラックスできる環境にいる自分を想像するなど)、マッサージを受ける、筋弛緩法など、定番のリラクゼーションテクニック
  • Psychology Todayオススメの5段階プロセスによって、自分の生理機能を変えてリラックスしやすくする。自分の位置を確認して周囲とのつながりを実感することから始め、だんだん呼吸を遅めていき、リラックスした状態へと自分をいざないます。
  • マインドフルネスを練習する。マインドフルネスとは、今この瞬間に注意を払うこと。心がどこかに行ってしまっていては、リラックスすることもままならないでしょう。
  • いつもと違うアクティブなことをやってみる。日々のルーチンをひと休みして、絵画教室に参加してみたり、水上スキーをすることでリラックスできるかもしれません。
  • 笑いのノルマを引き上げる。自分を笑わせてくれる人やモノ(または何もかもが可笑しいと思わせてくれる人やモノ)と多くの時間を過ごすことで、より深くリラックスでき、気分もよくなるでしょう。
  • リラックスすることを意識する。筆者はずっと、寝つきとリラックスできないことに悩まされてきました。でもこのところ、効果絶大ながら、とってもシンプルなテクニックに出会ったのです。それは、なごみ系の言葉を思い浮かべること。私たちは、自分の緊張状態にすら気づけないことがよくあります。そんなときでも、「なごむ」とか「手放す」といった言葉を思い浮かべたり読んだりすることで、事態は好転します。

根底に心理的・身体的な問題がある場合、専門医に診てもらう

不安障害、ADHD、その他の医学的な懸念を持っていて、どうしてもリラックスができない場合は、医師に助けを求めましょう。専門のお医者さんであれば、あなたがリラックスできない理由を突き止めて、リラックスできるようになるための治療やその他の解決策を提示してくれるでしょう。

Melanie Pinola(原文/訳:堀込泰三)

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