役小角(えんのおづぬ、役行者)が修験道の地として開山したと伝えられる大峯山のふもと、洞川(どろがわ、天川村)と吉野山(吉野町)で製造されている苦味健胃薬。
僧侶が「陀羅尼(だらに)」という経文を唱える際にこれを口に含み、苦味で眠気を防いだのが始まりとされる。
主原料は、オウバク(黄柏)と呼ばれるキハダの樹皮で、大峯山の寒水を用いてつくられた水製エキスに、ゲンノショウコ、ガジュツなどの苦味健胃薬、芳香性健胃薬を配合し、現代人が服用しやすいよう成丸・乾燥させてある。
大峯山や吉野山への登山客、行者参りの人々の土産物として、あるいは家庭用常備薬として知られる。
※写真は、いずれも大峯山陀羅尼助製薬(奈良県吉野郡天川村洞川485-1)で撮影