2022.02.15

お家デートに♡「旅行気分になれる映画」4選

気軽に旅を楽しめない今こそ、映画でトリップ。お家デートで旅気分を味わえる、とっておきの映画をご紹介。タレントの青山めぐさんをはじめ、エンタメ好きな皆さんが選りすぐった4作品はこちら。

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文/大塚綾子

海外旅行になかなか行けない昨今、気軽に異国のカルチャーと出合えるのは、映画やドラマなどのエンタメ作品かと。そこで、次のお家デートは映画でトリップしてはいかがでしょう。歴史あるローマの街並みや、広大な空が広がるアメリカの田舎町、まぶしく太陽が照りつけるビーチリゾートなどなど、どこへ行くかはその日の気分次第。エンタメ通の皆さんに、旅気分に浸れるオススメの映画を教えていただきました。

◆ ライター・遠藤加奈さんのオススメ

架空のビーチリゾートの描写は、このご時勢、手の届かないパラダイスのよう……

LEONの旅連載の編集担当として、世界各国を飛び回っていた遠藤加奈さんがオススメしてくれたのは、『シックスセンス』のM・ナイト・シャマランが監督を務めた『オールド』。異常なスピードで時が流れ、あっという間に人々が年老いてしまうビーチを舞台に、一家が直面する謎と恐怖を描く……って、怖すぎますが、本当に旅気分に浸れます?
「ストーリーはサスペンススリラーなのですが、舞台がどこかの架空のビーチリゾートで、ホテルのエントランスの賑やかな感じや、ウエルカムドリンク、ビーチ沿いのレストランやビュッフェなどなど、このご時勢には、もはや懐かしいを通り越して手の届かないパラダイスのようで、旅に出たいなぁと切実に思います。

が、それも序盤だけ。ストーリーが進むにつれて、不穏な空気が漂い始めて、途中から『もう家に帰りたい!』となるので、見終わった時は長旅から帰ってきて家に着いた時のような、ほっとする感じが味わえるんじゃないかなと思います。

スリラーなのですが、途中笑えるシーンもあるので、誰かと見ると面白さが倍増するはず。劇中に出てくるビーチ沿いのレストランの雰囲気がちょっと似ている、ハワイ・マウイ島のフォーシーズンズ リゾート マウイ・アット・ワイレアに1週間くらい行きたくなりますよ!」
映画 オールド

オールド

休暇で人里離れた美しいビーチを訪れた、何組かの家族たち。楽しい時間を過ごしていた矢先に、ひとりの母親が姿を消した息子を探している。母親が息子の姿に気づかないのも無理はなかった。6歳だった息子は少し目を離した隙に少年から成年へと急成長していたのだ。このビーチでは何が起こっているのか? U-NEXTなどでデジタル配信中。Blu-ray+DVD(2枚組) 4980円、4K Ultra HD+ブルーレイ(2枚組) 6980円 発売元/NBCユニバーサル・エンターテイメント

遠藤加奈(えんどう・かな)

● 遠藤加奈(えんどう・かな)

元LEON編集部のエンタメ担当で、昨年末フリーライターに。旅担当をしていたこともあり、アマゾン川からゴールデントライアングルまで、世界中のラグジュアリーリゾートを訪れた経験がある。

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◆ 映画ライター・よしひろまさみちさんのオススメ

コロナ禍の今なにより恋しいのは、旅先での出会いや異文化交流の素晴らしさ

映画ライターのよしひろまさみちさんのリコメンドは、スペインにあるキリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへと向かう800kmの巡礼の旅を描いた『星の旅人たち』。主人公のトムは名優マーティン・シーン、彼の長男エミリオ・エステヴェスが監督と息子のダニエル役を演じる、知る人ぞ知る名作です。
「サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼は、いわゆるキリスト教版のお遍路みたいなもの。心に傷を負っていたり、ミッドエイジクライシスに陥っていたり、人生の黄昏時期にさしかかった人たちが、自分を見つめ直すために歩く道です。

主人公のトムはアメリカ人のセレブ眼科医で、たまに仕事をしつつも悠々自適な生活。一方息子のダニエルは仕事もせずにバックパックを背負って世界中を旅している。息子の行動をまったく理解できません。そんな主人公に『お父さんは世界を見ていないんだよ』という言葉を残して、息子は巡礼の旅へ。

巡礼路の序盤、ダニエルはピレネー山脈で命を落としてしまいます。訃報を受けて遺体を引き取りにいったトムは、初めて巡礼の道を知り、息子はなぜ旅に出たのか、何を感じていたのかを知るために、自分も歩いてみようと決心します。

老人にとってはかなりきつい道のりだけど、それでも主人公は旅を続ける。その道中に出会った人たちとの触れ合いや雄大な自然を通して、自分がどれだけ世界を見ていなかったのか気づくという物語です。ちなみに恋愛要素は一切出てきませんので悪しからず。

フランスからピレネー山脈を超えて聖地をめざす、その道中の雄大な風景にきっと胸を打たれるはず。けれど、それよりも素晴らしいのが人との出会いです。世界各国から集まった言葉も生活環境も全く違う人たちが、宿で出会い話をして、じゃあ一緒に歩こうかとその場限りかもしれないけれど、旅の道連れとなる。

リゾートや名跡・史跡をめぐる旅も楽しいけれど、コロナ禍の今なによりも恋しいのは、こういった旅先での出会いや異文化の交流。この映画は、そんなかつてあった旅の素晴らしさを思い出せる、大好きな作品です」
映画 星の旅人たち

星の旅人たち

アメリカ人眼科医のトムに、ひとり息子ダニエルの突然の訃報が入る。サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の初日、嵐に巻き込まれ、不慮の死を遂げたというのだ。ダニエルは何を思い、旅に出る決意をしたのか? トムは亡き息子のバックパックを背に巡礼の道へと旅立つ。DVD 4180円 販売元/アルバトロス

よしひろまさみち

● よしひろまさみち

『otona MUSE』や日本テレビ『スッキリ!』の月1回レギュラーコーナーを始め、雑誌、テレビ、ラジオなど多岐にわたるメディアで活躍する映画ライター・編集者。海外スターや監督へのインタビューも多く手掛ける。

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◆ タレント・青山めぐさんのオススメ

アメリカの田舎町が舞台の‟ひと夏の冒険”で、少年少女時代にトリップ♡

冒険に憧れていた小学生の頃、偶然テレビで観た『スタンド・バイ・ミー』に夢中になったタレントの青山めぐさん。弟や妹と協力してお小遣いを貯め、人生で初めて買ったVHSのビデオテープは、擦り切れるほど観たのだとか。
映画 スタンド・バイ・ミー
▲ ©1986 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
「オレゴンの小さな田舎町で暮らす12歳の少年4人が行方不明になった少年の死体を探しに旅に出る……。その設定だけで、同世代だった私はワクワク。大人はわかってくれないという彼らの気持ちに、めちゃくちゃ共感しました。

映画のマネをして友達と空き地にビニールシートを持ち寄って、秘密基地をつくったり、家出に憧れたり。主人公たちの冒険の旅が本当にうらやましかったです。当時近所にあった米軍ハウスの異国感に惹かれたのも『スタンド・バイ・ミー』の影響だったのかも。

舞台は、ニューヨークやハリウッドのようなキラキラした都会ではなく、アメリカのガチな田舎町。公開は80年代ですが、設定は50年代なのでどこかノスタルジックな雰囲気もいい。どこまでも続く線路や広大な風景はこれぞ“本物のアメリカ”って感じで、憧れですね。

まだ行ったことがないので、いつかは訪れたいです。地元の人で賑わうレストランやコンビニをのぞいたり、街中をぶらぶらしてつたない英語でお買い物をしたり。現地の人たちに混じって暮らすような旅をしてみたいな。旅先で印象に残るのは、観光スポットではなく、意外と何気ない出来事だったりしますよね。

大人な2人が観ても新鮮にワクワクできるロードムービーだし、『実は子供の頃、家出したことがあるんだよね』なんて、少年時代の話で盛り上がりそう。オススメです!」
映画 スタンド・バイ・ミー

スタンド・バイ・ミー

1959年オレゴンの小さな町。文学少年のゴーディら仲良し4人組は、行方不明になっていた少年が、列車に轢かれて野ざらしになっているという情報を手にする。それぞれ心に傷を持っていた少年たちは、死体を見つけてヒーローになることを夢見て、冒険の旅に出る。Netflixなどで配信中。Blu-ray 2619円、DVD 1551円、4K ULTRA HD 5217円 発売・販売元/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

青山めぐ(あおやま・めぐ)

● 青山めぐ(あおやま・めぐ)

1988年、埼玉県生まれ。164cm。タレント・女優。OLとして働いたのち、2011年にレースクイーンとしてデビュー。2013年には、「レースクイーン・オブ・ザ・イヤー12-13」を受賞。2014年にはK-1WORLD GPのラウンドガールとしても活躍。キックボクシング、柔道(黒帯)とスポーツにも精通。現在は、舞台、バラエティ、映画と幅広く活動中。2021年は大ヒット映画『地獄の花園』に出演した。公式ウェブサイトはコチラ

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◆ 「bar bossa」店主・林 伸次さんのオススメ

不朽の名作はいつ観ても、「あの美しいローマへ♡」と旅ゴコロに火をつける

「見た目は立派なオヤジですが、実は心の中に乙女がいるんです」と語るのは、連載「美人はスーパーカーである」でもおなじみ「bar bossa」店主で作家の林 伸次さん。オススメしてくれたのは、美しいローマの街並みとチャーミングなオードリー・ヘプバーンに世界中が恋した不朽の名作『ローマの休日』。
「ローマの観光スポットを巡り、全編ロケで撮影された『ローマの休日』は、今でいう映画の聖地巡礼ブームの先駆けですよね。トレヴィの泉やスペイン広場、真実の口など、さまざまなスポットが登場します。この映画を観て、世界中の人たちがローマを訪れてみたいと思ったはず。実は僕の両親もこの映画に憧れて、夫婦でローマに行っていました。

物語の展開も実に見事で、後に作られる多くの映画に影響を与えている教科書のような作品なんです。

学生時代から何度も観ていますが、今になって改めて観ると職業柄、お酒が出てくるシーンが気になります。特に印象的だったのは、シャンパーニュの描写。王室育ちのアン王女には、イタリアだからスプマンテという選択肢はなくて、当時のローマではとても高価だったシャンパーニュを躊躇なくオーダーしてしまう。

庶民である新聞記者の彼からすると『ああ、高いもの頼んだな……』と、思っているんだろうなあとか。そのシャンパーニュを注ぐグラスが、クラシカルなクープグラスだったことも興味深いです。

もうひとつ気になったのが、藁で包まれたキャンティのワインボトル。昔はイタリアンレストランに行くと必ずと言ってもいいほどこのボトルが飾られていて、60、70代の方はワインと言えばキャンティとおっしゃる方が多いのですが、これもきっと『ローマの休日』の影響なんですよね。

こういった当時の文化や流行を知ることができるのも映画の楽しみ。残念ながら僕自身はまだローマには行ったことがないので、コロナ禍が明けたら妻と一緒にぜひ訪れてみたいですね。1カ月くらいかけてヨーロッパを巡る。そんな旅を夢見ています」

ローマの休日

ヨーロッパ最古の王室の王位継承者・アン王女は、親善旅行でローマを訪れていた。毎日の公務にうんざりしていた王女は、ある夜こっそり王宮を抜け出し、アメリカ人の新聞記者・ジョーと出会う。王女と気づかないふりをしてガイド役を買って出たジョーは、王女の大スクープを狙うが……。Amazon Prime Videoなどで配信中。

林 伸次(はやし・しんじ)

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。1997年渋谷に「bar bossa(バール ボッサ)」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著は『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。

※掲載の価格はすべて税込みです。
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