結成15周年のライブイベント
「まだどこにも達していない。まだ何もやりきっていない。同じ一つの時間が続いている」
夜の本気ダンス(夜ダン)は今年結成15周年を迎えた。節目を記念して3月25、26日にKBSホールで、岡崎体育やフレデリックら10組のアーティストを迎えたイベント「KYOTO―O―BAN―DOSS」を開く。その後、全国ツアーも予定している。メンバーに15年の思いを聞いた。
夜ダンはボーカル・ギターの米田貴紀、ドラムの鈴鹿秋斗、ベースのマイケル、ギターの西田一紀のメンバー4人。1989年、90年生まれの同世代だ。
2008年に田辺高校出身の鈴鹿が同級生たちと夜ダンを結成し、莵道高校出身の米田が加入した。その後、マイケル、西田がメンバーチェンジで入り、06年にアルバム「DANCEABLE」をリリースしてメジャーデビューした。風変わりなバンド名は、メンバーの自宅に張ってあった新聞の切り抜きから名付けたという。
夜も昼も本気でダンスさせる
デビュー後「INTELLIGENCE」「Fetish」の2枚のフルアルバムと「PHYSICAL」「armadillo」の2枚のミニアルバムをマイペースで発表し、新たな音楽要素を取り込むなど挑戦を続けるが、「夜も昼も聴く者を本気でダンスさせる」という一貫したコンセプトは不動だ。
「ダンスができなくても、人前で踊るのが恥ずかしくても、そんなこと一切関係なく、自然に、勝手に、体が動いてしまう、踊ってしまう。そういう音楽をやりたかった」と鈴鹿はバンドの原点を振り返る。
メンバーに夜ダンの魅力を聞くと、米田は「不完全さ」、西田は「奔放さ」だという。マイケルは「曲者感」といい、「4番バッターではないが、常に何かは残してきた」と話す。
音楽のイメージとは異なり、記者の質問に静かに考えをめぐらし、訥々と語る4人の言葉からは、ずっと自分たちの音楽を突き詰めてきたという自負、自信が強く感じられた。