北陸新幹線の整備に伴う環境影響評価方法書の説明会(京都府南丹市美山町・美山文化ホール)

北陸新幹線の整備に伴う環境影響評価方法書の説明会(京都府南丹市美山町・美山文化ホール)

 北陸新幹線敦賀―新大阪間の整備で、建設を担う独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構はこのほど、環境影響評価の方法書の説明会を、京都府南丹市美山町の美山文化ホールで開いた。参加者からは、美しい景観や貴重な生態系が残る同町内のトンネル工事の影響や工法について質問が出た。

 ルート案は同町の京都丹波高原国定公園内を通り、京都大芦生研究林(芦生)と「かやぶきの里」(北)を避け、両地間を抜けることが想定されている。
 13日夜の説明会には住民ら25人が参加。市内は幅約10メートルの山岳トンネル区間とされる整備概要のほか、水質や地下水、騒音、生態系、景観などの環境影響評価項目や調査方法といった方法書の内容が説明された。
 参加者からは、トンネル掘削作業用の坑道や土砂運搬について質問があり、同機構は「市内の15キロでは(坑道を)2、3カ所掘る必要がある」と説明。土砂運搬は「既存道路を拡幅するか、専用道路を造ることも考えられる。土砂は発生した自治体での処理が原則だが、近隣自治体にも受け入れ協力を求めていく」と述べた。
 トンネルの深さについては、新幹線ルートと由良川の交錯点で、前後はトンネルにして地上に高架橋を造る可能性と、川の下をトンネルでくぐる二つの想定がある、とした。
 方法書は機構ホームページで公開され、来年1月8日まで意見を募集。現況調査を行って1年半~2年後に環境影響評価案を記した準備書をまとめる方針。