2022年10月の京都国際映画祭で「牧野省三賞」を受けた北大路欣也さん(右)に祝辞を述べる中島貞夫監督=京都市東山区

2022年10月の京都国際映画祭で「牧野省三賞」を受けた北大路欣也さん(右)に祝辞を述べる中島貞夫監督=京都市東山区

 中島貞夫監督の死去を受けて、監督の映画に出演した俳優からは悼む声が相次いだ。

 「暴動島根刑務所」(1975年)や「犬笛」(78年)に出演した北大路欣也さん(80)=京都市出身=は「撮影現場では、映画づくりの凄(すさ)まじい魂をぶつけられました。今もその波動は消えていません」と感謝を込めた。

 「極道の妻(おんな)たち」シリーズに出演した岩下志麻さん(82)は「いつも優しく、あまり怒ったお姿を拝見したことがない、温かな監督さんでした」と振り返った。

 「序の舞」(84年)に出演した名取裕子さん(65)は「男性社会の壁を破ろうとする芯の強い女性をフィルムに残してくださいました。映画にかける情熱が80歳を超えても燃えている監督でした。天国でもあのキラキラした眼差しで皆を見守ってください」と祈った。

 遺作となった「多十郎殉愛記」(2019年)で主演した高良健吾さん(35)は「監督からは、こうらちゃんと呼ばれていました。たまに(菅原文太さんの)文ちゃんと呼び間違える事があったのですが、光栄でうれしかった。監督と過ごした時間は大切な思い出です」と悼んだ。