府内上場企業の2022年度決算(今年3月期発表の決算短信)で、内部留保(資本剰余金と利益剰余金の合計)額の上位10社の合計額が10兆8134億円となっていることが本紙調査で分かりました。円安と原油高騰などで中小業者が大打撃を受ける中、輸出大企業を中心に巨大なもうけをため込んでいます。識者は、「大企業が内部留保をためる一方で、中小企業は非常に厳しい状況。日本経済を立て直すためにも内部留保への課税などを検討すべき」と述べています。

 本紙調査で、昨年比で10社の内部留保が合計6858億円増加しました。2012年当時の内部留保は5兆7264億円で、10年間で2倍近くになっています。

 最も内部留保を積み上げているのは「任天堂」(京都市南区)の2兆4078億円。21年度決算よりも減収減益となりましたが、ゲームソフトなどの売り上げが堅調で、内部留保は1941億円増やしました。

 次いで、「村田製作所」(長岡京市)の2兆3072億円、「京セラ」(伏見区)の2兆188億円、「ニデック」(旧日本電産、南区)の1兆2269億円と続きます。  

 財務省が1日発表した法人企業統計調査で、金融・保険業を含む資本金10億円以上の大企業の内部留保は513兆円と過去最高を更新。第2次安倍晋三政権が始まる直前となる12年1~3月期の316・8兆円から1.6倍に増えています。一方、労働者の賃金は年換算で621万円と12年1~3月期から1.1倍の伸びにとどまります。労働者の賃金を抑制した結果、内部留保が積み上がったことになります。