岸田首相が教員の処遇改善に改めて意欲 衆参両院で所信表明

岸田首相が教員の処遇改善に改めて意欲 衆参両院で所信表明
衆院本会議で所信表明演説をする岸田首相(衆院のインターネット中継から)
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 岸田文雄首相は10月23日、衆参両院の本会議で所信表明演説を行い、「教職員の処遇見直し等を通じた公教育の再生に取り組む」と述べた。6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)にも教員の待遇改善を進めていく方針が明記されており、改めて意欲を示した格好だ。

 所信表明ではこのほか、6月に閣議決定した「こども未来戦略方針」(参照記事: こども未来戦略方針を決定 新たに教師の確保などを明記)にスピード感を持って取り組む姿勢を示すとともに、子ども1人当たりの支援規模をOECD(経済協力開発機構)でトップの水準に引き上げていく考えも表明した。また、7月に関係府省庁の連絡会議で取りまとめた「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」(参照記事: こどもの性被害「生命の安全教育」を全国展開 政府が緊急対策)に基づく取り組みを加速し、不登校やいじめ対策を強化することも明らかにした。

 教員の処遇改善を巡っては、自民党が5月、給特法に基づいて残業代の代わりに支給され、現在は月給の4%と規定されている「教職調整額」の水準を同10%以上に引き上げるよう提言した。併せて、管理職手当や主任手当の増額も求めた。中教審の特別部会も8月末に取りまとめた緊急提言で、管理職手当・主任手当を増やすべきだとしており、文科省は2024年度予算の概算要求に増額に向けた必要経費を盛り込んでいる。

 教職調整額を含めた給特法の在り方については、中教審が来春までに方向性を示す見通しとなっている。

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