爽やかな酸味と上品な香りが特徴の「かぼす」。見た目がゆずやすだちとよく似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。この記事ではかぼすの旬や特徴、使い方に加え、ほかの柑橘類との違いを解説します。記事後半のかぼすジュースやかぼすうどんなど、かぼすを使った絶品レシピも必見ですよ。
かぼすとほかの柑橘類との違いとは?旬や特徴、使い方について解説!
- 目次
- かぼすとは?
- かぼすの歴史
- ゆずやすだちとの違いは?
- ゆず
- すだち
- かぼすのおいしい使い方
- かぼすを使った絶品レシピ
- かぼすジュース
かぼすとは?
かぼすとはミカン科ミカン属の香酸柑橘類に属する植物のこと。大きさはテニスボールくらいで、100~150gほどの重さがあります。球体から扁球形で表面の凹凸が少なくつるりとしているのが特徴です。皮は厚みがあり、果肉は透明がかった乳白色をしています。
皮が濃い緑色の状態で収穫されますが、熟すと黄色く変わります。酸味が強く爽やかな香りと風味がありますが、皮が黄色くなり熟すにしたがって、酸味が減り甘みが増していくんですよ。かぼすは酸味が強いですがほどよい甘みも含まれており、甘味と酸味のバランスが絶妙。上品な香りで繊細な料理に合わせても風味を損なわないのが特徴です。
かぼすの名産地は大分県です。大分県のかぼすの収穫量は全国の98%以上を占めており、ほとんどが大分で栽培されたものだということがわかります。かぼすのもともとの旬は8~10月ごろ、夏から秋にかけてです。3月中旬から7月ごろにはハウス栽培されたかぼすが出回っています。ちなみに秋に黄色く色づいたかぼすはよく熟しているため、まろやかな風味でひと味違う味わいを楽しめるのも魅力です。
かぼすの歴史
かぼすの原産地はヒマラヤ地方と言われています。日本へは江戸時代初期に中国大陸から伝わったそうです。当時は全国的に栽培され、医薬品として扱われていました。江戸時代に医師が京都から大分に苗木を持ち帰ったことがきっかけで、大分で盛んに栽培されるようになったようです。その後、昭和40年代に大分県により生産が奨励されたことにより特産品として定着しました。
「かぼす」という名前は、刻んだかぼすの皮を蚊を追いやる(いぶす)ことに使っていたことが由来だそうです。「蚊いぶし」という言葉が徐々に変化して「かぼす」になったと言われています。
ゆずやすだちとの違いは?
かぼすと同じ香酸柑橘類に属しているのがゆずやすだちです。見た目が似ていますが、どんな違いがあるのでしょうか?ここでは、ゆずやすだちとかぼすとの違いについて見ていきましょう。
ゆず
ゆずは冬場に出回る黄色いものと、夏場の青ゆずがあります。青ゆずはかぼすとよく似ているため間違えやすいですが、違いは大きさと皮の質感。青ゆずはかぼすよりひと回り小さく、表面が凸凹としています。また、種が多く果汁の量が少ないのも特徴です。果汁は強い酸味があり、苦味や甘みなどが複雑に合わさっています。ユズノンという香り成分を含み、特有の華やかな香りがあるのも特徴です。
すだち
すだちはゴルフボールくらいの大きさで、ゆずよりもさらにひと回り小さいサイズです。かぼすよりも香りが強く、爽やかな香りを楽しむために松茸やサンマなどに皮を添えるのが定番です。クセのない爽やかな酸味があり苦味が少ないため、さまざまな食材によく合います。
かぼすのおいしい使い方
かぼすは香りや酸味をプラスするために料理に使われます。焼き魚の添え物はもちろん、唐揚げや刺身、天ぷらなどにギュッと絞ってもおいしいです。ひと玉から約30mlもの果汁が搾れるため、そのままジュースにしたり、ドレッシングやポン酢などにたっぷり使うこともできます。
レモン汁の代わりに焼酎やカクテルに加えたり、シャーベットやゼリーなどのデザートを作るのもおすすめです。皮も刻んで料理の風味づけに加えたり、こしょうを作るのに使うこともできますよ。
かぼすを使った絶品レシピ
かぼすの特徴やほかの柑橘類との違いがわかったところでここからは、かぼすを使った絶品レシピをご紹介します。ドリンクやおかず、デザートまで簡単に作れるものを幅広くピックアップしているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
かぼすジュース
かぼすを使ったおいしいドリンクのご紹介です。フレッシュなかぼすの果汁にはちみつを加えて爽やかな甘酸っぱい味わいに仕上げました。かぼすの皮をすりおろして加えているので、豊かな香りが楽しめます。ぜひ、すっきりと冷やして召し上がってくださいね。
※こちらのレシピは、はちみつを使用しております。 1歳未満(乳児)のお子様はお召し上がりにならないようご注意ください。 はちみつは、砂糖でも代用できます。それぞれ種類によって甘さが異なりますのでお好みで調整してください。
大葉とかぼすのモヒート風ジュース
かぼすと大葉のモヒート風ジュースはいかがでしょうか?甘酸っぱいかぼすに爽やかな風味の大葉を合わせて和風に仕上げました。大葉の香りがよく、とても爽やかな後味です!簡単にお作りいただけるので、ぜひ試してみてくださいね。
かぼすポン酢で手羽元のさっぱり煮
かぼすポン酢で手羽元のさっぱり煮を作ってみませんか?ニンニクや生姜の効いた甘辛いタレにかぼすの果汁をたっぷりと加えました。ほろほろとした食感のジューシーな手羽元にかぼすの爽やかな風味が染みてとてもおいしいですよ!今夜のおかずにいかがでしょうか。
かぼす香る 豚肉とレタスのレンジ蒸し
かぼす香る豚肉とレタスのレンジ蒸しのレシピです。レタスと豚バラ肉、かぼすのスライスを重ね、タレをかけて電子レンジで蒸すだけ!しんなりとしたレタスやジューシーな豚バラ肉と、さっぱりとしたかぼすの風味が相性抜群。かぼすと黒こしょうの爽やかな風味でもりもり召し上がれますよ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。
かぼす入り 大分名物とり天
大分の郷土料理、とり天のレシピです。大分県特産のかぼすの果汁を加えたタレに漬け込んだ鶏もも肉は、ふっくらとジューシーな仕上がり!天ぷらにかぼすをキュッと絞って食べると、爽やかでフレッシュな香りを楽しめますよ。ぜひ熱々のうちに召し上がってみてくださいね。
カボスでさっぱり 豆苗お浸し
あと一品が欲しいときに、かぼすでさっぱりといただく豆苗のおひたしを作ってみましょう。ゆでた豆苗をかぼすとしょうゆ、かつお節のタレで和えるだけで簡単にお作りいただけます。かぼすのさっぱりとした風味ととかつお節のコクが絶妙で、クセになるおいしさですよ!ぜひ献立に加えてみてくださいね。
さっぱり爽やか かぼすうどん
今日のランチは、かぼすうどんで温まりませんか?しょうゆベースのやさしい味わいのおつゆと爽やかなかぼすのスライスが好相性でさっぱりと召し上がれます!いつもとひと味違う贅沢な味わいのうどんです。ぜひ作ってみてくださいね。
かぼすで手作りポン酢
かぼすを使用して作るポン酢のご紹介です。香りのよいかぼすを材料と合わせて冷蔵庫で置くだけ。甘酸っぱさがどんな料理にもよく合います。市販のものとは比べ物にならない華やかな香りと風味を楽しめますよ!ぜひこの機会に作ってみてくださいね。
カボスづくしのパンケーキ クリームソースがけ
今日のデザートにかぼすづくしのパンケーキクリームソースがけを作ってみませんか?刻んだかぼすの皮を加えたパンケーキに、かぼすの果汁入りのクリームをたっぷりとトッピングしました。爽やかなかぼすの風味とサワークリームの酸味が効いて、甘酸っぱさがクセになる味わいです!いつもとひと味違うパンケーキが食べたいときにぜひお試しくださいね。
爽やかかぼすと豆腐のチーズケーキ
かぼすと豆腐を使ったチーズケーキをご紹介します。ほんのりお豆腐が香るあっさりとした味わいのチーズケーキです。お豆腐入りの生地はしっとりふんわりとした食感!甘さ控えめですが、かぼすの爽やかな風味がアクセントになってとてもおいしく召し上がれますよ。ティータイムのお供にぜひ作ってみてくださいね。
主菜からデザートまで多彩なアレンジで楽しめるかぼす
いかがでしたか?かぼすの特徴や使い方、ほかの柑橘との違いに加え、かぼすを使った絶品料理などもご紹介しました。かぼすは調味料やドリンクとして使うのはもちろん、主食からデザートまで幅広く活用できます。今回活用したレシピなども参考にしていただき、ぜひいろいろな料理にかぼすを活用してみてくださいね。