最終更新日 2023.11.16

ちょろぎって何?おせち料理との関係や味の特徴などを解説!

ちょろぎって何?おせち料理との関係や味の特徴などを解説!

おせち料理で黒豆に添えられている、巻貝のような形が特徴的な赤い脇役「ちょろぎ」。一体どんな食材なのか、飾り切りを施したかのような不思議な形とともに気になっていた方も多いのではないでしょうか。今回はそんな謎に満ちたちょろぎの味や由来、またなぜおせち料理に入っているのかなど、ちょろぎに不思議に迫ります。

  • 目次
  • ちょろぎとは
  • ちょろぎはどんな味?
  • ちょろぎの産地はどこ?
  • ちょろぎ発祥の地は中国!
  • おせち料理になぜちょろぎ?
  • ちょろぎの選び方と食べ方
  • ちょろぎのレシピをご紹介
  • ちょろぎの甘酢漬け

ちょろぎとは

小さい形状ながら、おせちの中で一際存在感を放つ真っ赤な「ちょろぎ」。

中国が原産とされているシソ科の一種で、根の先端にできる塊茎部分を指します。巻貝のような形は飾り切りをしたわけではなく、実は土の中に生えている茎が太くなった部分なのです。塊茎部分を食用とする食材は、じゃがいもやレンコン、里芋や生姜などがありますが、ちょろぎもその仲間と言うことができるでしょう。

黒豆に映える赤色は甘酢に漬けてあることで生まれる色味であり、ちょろぎ自体は実は白っぽい色をしています。何の食材なのかわからなかったちょろぎですが、普段私たちがよく口にしている食材に近い存在であったことが分かると、一気に親近感がわきますね。

ちょろぎはどんな味?

ややえぐみを感じるほかは、ちょろぎ自体にはあまり味はありません。加熱するとホクホクしてさつまいもやニンニク、ゆりねのような食感になります。おせちに入っているちょろぎは、梅酢漬けになっているためやや酸味を感じる味つけで、らっきょう漬けやカリカリ梅に似た食感をしています。食材の1つとして料理に加えてみると、見た目と食感を楽しむことができますよ。ちょろぎ自体に味がないので、さまざまな味つけを楽しめるのも魅力かもしれませんね。

ちょろぎの産地はどこ?

ちょろぎは、東北地方から九州地方にかけて各地で栽培されています。旬の時期は11月~1月で、寒くなり、土の上に出ている葉が枯れてきた頃合いを見計らって掘り起こすのがよいとされているようです。近年では、収穫が手作業であることや洗浄に気を遣うなど手間がかかるため、作り手が減少し、希少性が高まっている食材でもあります。

ちょろぎ発祥の地は中国!

ちょろぎは、中国が原産と言われています。そんな中国では、ちょろぎが石蚕(いさごむし)に似ていることから「草石蚕(ちょろぎ)」とも書くようです。日本には江戸時代に持ち込まれ栽培がはじまったとされていて、おせち料理の中にも見られるように、主に漬物に加工されます。

日本以外にも、フランスなどヨーロッパにも伝わっており「Crosne du Japon(クローヌ デュ ジャポン)」として、フランス料理にちょろぎが登場することもあるんですよ。中国が原産の食材でありながら、日本の食材のようなネーミングが付けられている点が興味深いですね。

おせち料理になぜちょろぎ?

おせち料理に入れるものには、必ず縁起のよい意味合いが込められているもので、脇役のような存在のちょろぎにもちゃんと意味があります。中国で「草石蚕」と表記されるちょろぎですが、日本では「長老木」「長老喜」「長老貴」「千代呂木」などと表記し、長寿を願う意味が込められているんですよ!そのほかにも、たくさん実ることから「子孫繁栄」の意味もあります。このような理由から、ちょろぎはおせち料理以外にも、祝い事の料理に添えられることもあり、縁起のよい食材として定着しています。

ちょろぎの選び方と食べ方

収穫したては白っぽい色をしているちょろぎですが、時間が経つにつれて徐々に黄色味を帯びてきます。そのため、生のちょろぎを選ぶ際は、白に近い色味のものを選ぶようにしましょう。

食べ方は、梅酢漬けや味噌漬、醤油漬、粕漬などの漬物に利用することが多いようです。そのほかには、サッとゆででアクを抜き、塩ゆでしたものを椀物に添えたり、サラダや和え物、マリネとしていただく調理法があります。サイズが小さく火が通りやすいため、加熱時間に気を遣う必要がありますが、炒め物や揚げ物に使うこともできますよ!

ちょろぎのレシピをご紹介

玉ねぎやにんじんのようにいつでも出会えるわけではないちょろぎ。生のちょろぎを見かける機会があったら、ぜひ料理してみたいですよね!ここでは、そんなちょろぎの使い方がわかるレシピを集めてみました。スーパーなどでちょろぎを見かけた際には、こちらのレシピを試してみてくださいね。

ちょろぎの甘酢漬け

まずはやはり定番の漬物、甘酢漬けのご紹介です。このレシピではちょろぎを寿司酢に漬けて作るため白っぽく仕上がります。事前に塩もみしておいたちょろぎを3分ほど火が通るまでゆで、しっかり水気を切ってから寿司酢に漬けて作ります。できあがるまでに少し時間がかかりますが、シャキシャキとした歯ごたえとさっぱりとした味つけが箸休めにもぴったりで、クセになりますよ!

ちょろぎの梅酢漬け

おせちで見かける赤いちょろぎを作ってみたい方は、梅酢に漬けてみましょう。ちょろぎの甘酢漬け同様、塩もみをしておいたちょろぎを火がとおるまでゆでて、赤梅酢と砂糖、塩で作った漬け汁に漬けておきます。甘酢漬けとともに作れば、紅白で祝い事にもぴったりなちょろぎに仕上がりますよ!

しそふりかけでちょろぎの甘酢漬け 

こちらは、ちょろぎの味つけと着色にしそふりかけを使ったレシピです。しそふりかけと寿司酢の組み合わせで、これまでご紹介した甘酢漬け同様、さっぱりといただくことができますよ!ほんのりピンク色に染まったちょろぎが可愛らしく、テーブルも華やかになる一品です。

ちょろぎと豚バラ肉の炒め物

甘酢漬け以外でちょろぎを楽しむならこちらのレシピがおすすめ!ちょろぎと豚バラ肉の炒め物は、ぜひ試していただきたい一品です。ちょろぎは食感を活かしたいため、火を通し過ぎないのがポイント。めんつゆと砂糖、すりおろしニンニクで味つけし、甘辛くパンチのある味わいに仕上げました。ごはんにもお酒のおつまみにもぴったりなので、ちょろぎを手に入れたらぜひ作ってみてくださいね。

積極的にちょろぎを食べよう!

今回は、不思議なフォルムで謎が多い「ちょろぎ」について解説しました。じゃがいもなどと同じように塊茎を食べる食材であったことや、意味合いが分かったことで、前より少しちょろぎに興味を持ってくださった方も多いのではないでしょうか。ちょろぎは、おせちの漬物以外に、普段の料理にも取り入れることのできる食材です。これからは、積極的にちょろぎを食してみたいですね。

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