最終更新日 2024.3.12

スパイス「ニッキ」とは?味やシナモンとの違い、使い方についても解説!

スパイス「ニッキ」とは?味やシナモンとの違い、使い方についても解説!

甘い香りとさわやかな辛味が魅力のスパイス「ニッキ」。京都銘菓「八ツ橋」に使われているイメージはあるものの、具体的にどのようなものなのかはよくわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ニッキの特徴や味のほか、ニッキと同じ原料から作られるスパイス「シナモン」との違いなどをご紹介します。

  • 目次
  • ニッキとは
  • ニッキを使った代表的な食べ物をご紹介
  • 八ツ橋
  • 生八ツ橋
  • ニッキ飴
  • ニッキ水
  • 原料は同じ!?ニッキとシナモンの違いとは
  • 原材料

ニッキとは

「ニッキ」とは、クスノキ科に属する「ニッケイ(肉桂)」という常緑樹の根皮から作られる香辛料のこと。

このニッケイは、中国原産の常緑高木で、英語名では「カシア(cassia)」と呼ばれています。主に中国やベトナムなどアジア圏を中心に温暖な地域で栽培されており、日本では展示用として、薬用植物園などの温室で栽培されているようです。低温に弱いため、日本だと九州地方などでは栽培が可能だとも言われていますが、そもそもの生産数が少ない上、ニッキの原料となる根の皮は幹や枝の皮に比べて成長速度が遅いことから希少性が高く、値段も高くなりやすいのだそうです。

そんなニッキの特徴は、甘くすっきりとした香りと強くさわやかな辛み。ほんのりと甘みも感じられます。

知る人ぞ知るレアな香辛料かと思いきや意外と身近な存在で、京都銘菓「八つ橋」や昔懐かしの駄菓子「ニッキ飴」などにも使われているんですよ。

ニッキを使った代表的な食べ物をご紹介

香りと風味のバランスが魅力のニッキ。 先ほども少し触れましたが、ここでは、ニッキを使った代表的な食べ物をご紹介します。

八ツ橋

ニッキを使った食べ物で最も有名なのが、京都銘菓「八ツ橋」です。米粉や砂糖、粉末にしたニッキなどを混ぜ合わせて作った生地をおせんべいのようにかたく焼き上げたお菓子で、ニッキならではの甘い香りとさわやかな辛味を楽しむことができます。

生八ツ橋

上記でご紹介した八ツ橋の生地を焼かずに蒸したものが「生八ツ橋」です。カリッと香ばしい八ツ橋とは異なり、食感はもっちりやわらか。八ツ橋と同じようにニッキをまぶして、風味豊かに仕上げます。

ニッキ飴

ニッキ好きの方にぜひおすすめしたいのが「ニッキ飴」です。その名の通り「ニッキ」を主原料に作られた飴で、一粒食べれば口いっぱいにニッキのさわやかな風味が広がります。

ニッキ水

「ニッキ水」とは、ニッキの香料などから作られる清涼飲料水のこと。赤、緑、黄に染められたインパクト抜群の見た目とスパイシーな風味が人気を呼び、かつて駄菓子屋が充実していたころは、子供たちの夏の飲み物として非常に重宝されていたそうです。

原料は同じ!?ニッキとシナモンの違いとは

「ニッキ」と香りや味わいがよく似ている香辛料に「シナモン」があります。この2つには、一体どのような違いがあるのでしょうか。

以下で、それぞれの特徴や違いを確認してみましょう。

原材料

そもそも、ニッキもシナモンも原料が「クスノキ科ニッケイ属の植物」という点は全く同じ。異なるのは品種と加工される部分で、先ほどもご説明したとおり、ニッキは「ニッケイ」や「シナニッケイ」の根皮を加工したスパイスですが、シナモンは「セイロンニッケイ」や「カシア」という品種の樹皮から作られます。

それぞれ生産地も異なり、一般的にニッケイは日本や中国で、セイロンニッケイはスリランカ、カシアは中国やベトナム、インドネシアなどで栽培されています。

風味、使い方

ニッキの特徴は、さわやかながらもピリッと刺激的な辛みと甘い香り。クセが強いため扱いづらい一面もありますが、京都を代表する和菓子「八つ橋」とは相性抜群で、昔からの定番の味わいとして親しまれています。

シナモンも、ニッキに似た風味を楽しめるスパイスですが、辛みはわずかに舌に残る程度でニッキよりもマイルド。そのためアレンジの幅はニッキよりも広く、アップルパイやパン、クッキー、ジャムなどのスイーツや、紅茶、コーヒー、肉料理などさまざまなジャンルのお料理に使うことができます。

独特の風味がたまらない!八つ橋のアレンジレシピ

最後に、八つ橋のアレンジレシピをご紹介します。そのままでも充分おいしくいただけますが、少しニッキを加えるとより本格的な味わいに仕上がりますよ。ニッキが手に入ったら、ぜひ試してみてくださいね。

餃子の皮で もちもち生八つ橋

おうちで作るのは難しいイメージのある八つ橋ですが、ぎょうざの皮を使えばとっても簡単!ゆであずきを包んだぎょうざの皮に、きなこや抹茶パウダーをまぶすだけで、もっちりおいしい八つ橋風のおやつができあがります。覚えておけば、普段のおやつはもちろん、余ってしまった餃子の皮を消費したいときにも役立ちますよ。ニッキやシナモンをまぶして、より生八ツ橋に近い味わいにチャレンジしてみてはいかがですか?

ワンタンの皮で かぼちゃのハロウィン生八つ橋風

ワンタンの皮で作る、かぼちゃあんの八つ橋はいかがですか。ほっこりとした甘みのかぼちゃあんをもちもちとした生地で包み、ついつい手が伸びてしまうおいしさです。シナモンシュガーとかぼちゃの相性も抜群ですよ。ぜひお試しくださいね。

ニッキは日本人となじみ深いスパイス!

スパイシーで甘い香りが魅力の「ニッキ」。八つ橋やニッキ飴などには欠かせない、日本人には馴染み深いスパイスでもあります。見かけたらぜひお手に取っていただき、今回ご紹介したレシピを試してみてくださいね。

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