サーバルキャットは日本で飼育できるの?
美しいビジュアルに小さな顔、そしてスレンダーで長い足などから「サバンナのスーパーモデル」という異名を持つサーバルキャット。海外では大変人気が高く、なかには300万円以上の値段で取り引きされることもあるそうです。
では、そんなサーバルキャットをペットとして日本で飼うことはできるのでしょうか。
答えは「NO」。
2020年6月1日よりサーバルキャットは、愛玩目的等で飼養することが禁止されました。理由は「人に危害を加える恐れがある」ためです。
飼養することができるのは動物園や試験研究施設など、特定の目的で飼うことのみ許可されており、動物園の種類や飼養施設ごとに都道府県知事、もしくは政令指定都市の長からの許可が必要とされています。
そのためサーバルキャットは、日本でペットとして飼うことはもちろんのこと、購入することもできないのです。
サーバルキャットの性格は?なつく?
サーバルキャットはその名の通りネコ科の動物。分類としては、食肉目(ネコ目)・猫科・サーバル属です。またサーバル属は1種類のみが属することから、一属一種といわれています。
そんなサーバルキャットの性格は一言でいうと「獰猛」といえるでしょう。さらに野性動物らしく警戒心が強いので、滅多なことがない限り人になつきません。
ただし、小さい頃から人に慣らしていけばなつくこともあるそうです。訓練次第では、猫と同じようにゴロゴロと喉を慣らしながら甘える穏やかで優しい性格にもなるそうですよ。
サーバルキャットの寿命は?
猫全体の平均寿命は15.45歳※1といわれていますが、サーバルキャットの平均寿命は何歳なのでしょうか。
実は野性のサーバルキャットと、飼育されているサーバルキャットでは平均寿命が異なるようです。
野性下:約10~13年
飼育下:約13~20年
野生下で暮らすサーバルキャットは、飼育下に比べてはるかに厳しい環境で生活していることから、平均10~13年という寿命の短さに繋がっているのでしょう。
※1.一般社団法人ペットフード協会「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査 結果」より
サーバルキャットの生態って?
サーバルキャットはアフリカ大陸に分布するヤマネコ。アフリカに生息するネコ科動物のなかでチーターの次に大きい種類といわれています。
チーターのようにくっきりと描かれた黒い斑点と、頭部の後ろから肩にかけて入る黒い線が特徴的です。また顔にはチーターと同じ「ティアーズライン」と呼ばれる目頭から黒いラインが入っており、太陽光の反射を抑える役目があるといわれています。
そのため元々夜行性ではありますが、日差しが強くなれば日中でも活動することがあるようです。
鳴き声は猫と同じように「ニャーオ」「ニャッ」といった可愛らしい声で鳴きますよ。動物園に行く機会があれば、ぜひ鳴き声を聞いてみてくださいね。
サーバルキャットの基本データ
名前 | サーバルキャット |
---|---|
英語名 | Serval |
学名 | Leptailurus serval |
分類 | 哺乳類/食肉目/ネコ科/サーバル属 |
体長 | 約60~100cm |
体重 | 約8.6~18kg |
学名の「Leptailurus serval」には❝細身の猫❞という意味があるそうですよ。確かにスレンダーでモデル体型のサーバルキャットはにはピッタリな名前ですね。
ちなみに「Serval」という名前の由来は諸説あり、ラテン語で牡鹿を意味する「cervus」から転じていたり、中世ラテン語でシカのようなオオカミを意味する「lupus cervalis」が由来しているともいわれています。
またポルトガル語で「猟犬」を意味したり「シカのようなオオカミ、オオヤマネコ」を意味する「lobo cerval」が由来していたりするなど、シカが由来になっていることが多く、もしかしたらサーバルキャットの特徴でもある大きな耳がシカの角を連想させたのかもしれませんね。
特徴は?
ネコ科の中でも1位2位を争うほどの大きな耳は、土の中に潜む獲物の音さえ聞き逃さない聴力を持ち主といわれています。そのめ風が強い日は逆にうるさすぎて狩りができないともいわれています。
またサーバルキャットは走ることはもちろん、木登りや泳ぎも得意とされ、水辺に逃げた獲物も捕まえられるほど運動神経が優れています。
どこに生息しているの?
サーバルキャットはアフリカ大陸に広く分布していますが、サハラ砂漠よりも南の地域にあるサバンナや草原、森林の沼地や川辺などに生息しているといわれています。特に森林内の開けた土地で見られることがあるそうですよ。
なにを食べるの?
野性のサーバルキャットは、主に夜や早朝時などの涼しい時間帯を狙って狩りを行います。
ただ寒冷地や子育て中、人の影響がない地域では主に昼間に活動することもあるそうです。
狙う獲物はげっ歯類と呼ばれるネズミやウサギなどの小型哺乳類。それ以外にも鳥類や卵、爬虫類や昆虫など、幅広い動物を獲物としています。
ちなみに動物園で飼育されているサーバルキャットは、馬肉、鶏肉、ヒヨコ、ウズラなどを食べているそうですよ。
繁殖期は?
サーバルキャットのオスは縄張り意識が非常に高く、頻繫に糞尿や爪あとを残しては自分のテリトリーをアピールします。そしてメスはその中でを自由に行動し、気に入ったオスと交配をするそうです。
そのため、決まった繫殖期はないといわれています。
妊娠期間は10~11週ほどされ、子どもは2~3頭ほど産みます。生まれた子どもの体重は約250グラムで哺乳期間は3~5ヶ月ほど。子育ては主にメスのみが行います。
生後2ヶ月を過ぎると母親が捕ってきた獲物を食べるようになり、生後10ヶ月にもなれば、自分で狩りをするまでに成長します。
オスのサーバルキャットは生後1年ほどで独立をしますが、メスのサーバルキャットは1年経ってもしばらくは母親のもとにいるそうですよ。
まとめ
ワイルドかつ、美しいビジュアルが印象的なサーバルキャット。
可愛らしい見た目とは裏腹にとても獰猛なため、簡単に近寄ることはできませんが、動物園で姿を見ることができますので、ぜひ見かけたら様子を観察してみるとよいでしょう。