連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

山口組分裂騒動

  • 印刷
射殺事件を受け、児童の登校を見守る警察官ら=28日午前、尼崎市内
拡大
射殺事件を受け、児童の登校を見守る警察官ら=28日午前、尼崎市内

 兵庫県尼崎市の路上で指定暴力団神戸山口組(神戸市中央区)の幹部が射殺された事件から一夜明けた28日朝、尼崎市内の全41市立小学校の周辺や通学路に警察官や教職員らが立ち、登校する児童を見守った。赤色灯を回したパトカーや市の巡回車も走るなど物々しい雰囲気の中、児童に付き添った保護者からは不安の声が上がった。

 事件現場近くにある難波小学校(同市東難波町4)の前では、教職員や制服姿の尼崎南署員が警戒。登校した児童約500人は足早に校門をくぐった。同校では28日、児童を集団下校で帰宅させる予定という。

 同校3年の息子に付き添って校門前まで来た母親(39)は「一歩間違えれば、子どもに被害が及んだかもしれないと思うと怖い。暴力団事務所も近くにあり、今も安心できない」と不安げに話した。

2019/11/28
 

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山口組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

天気(5月7日)

  • 25℃
  • ---℃
  • 10%

  • 24℃
  • ---℃
  • 30%

  • 24℃
  • ---℃
  • 10%

  • 25℃
  • ---℃
  • 30%

お知らせ