感謝状を受けた(右から)服部みささん、中河美重さんと土井淳さん(小野市消防本部提供)

 兵庫県小野市消防本部は市内で起きた救急救助事案で適切な通報をしたとして西脇市の会社員服部みささん(48)に、また、建物火災で初期消火や通報に貢献したとして小野市の農業土井淳さん(60)と同市の農業中河美重さん(39)に署長感謝状を贈った。

 同本部によると、服部さんは「ワタミの宅食」の社員。弁当を届けるため、9月7日午後1時ごろ、同市の1人暮らしの男性(70)宅を訪れたが、応答がなかった。気になって再び訪問。携帯電話に電話をかけると呼び出し音が室内から聞こえ、エアコンの室外機は動いていた。男性が室内で動けなくなっているのではと心配し、近所に様子を聞いた上で119番した。

 到着した救助隊が室内に入ったところ、男性は浴室の脱衣場で倒れ、意識不明だった。男性は病院に運ばれて入院した。服部さんの通報がなければ男性は心肺停止や死亡していたとみられる。

 一方、土井さんと中河さんは9月28日午後5時20分ごろ、同市天神町で、ボランティア活動で弁当を配るため、駐車場にいた際、子どもの叫び声を聞いた。家に上がると、台所で鍋がひっくり返り、食器などの収納スペースから火が出ていた。土井さんはぬれタオルをかけ、コップに水を入れて火を消した。中河さんは怖がっていた子ども2人を助け、119番した。消防隊の到着時に火災は鎮圧していた。

 井上昭仁署長(60)は「安否確認や適切な行動が人命救助や初期消火につながった」と感謝した。(坂本 勝)