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文春新書
六十一歳の大学生、父野口冨士男の遺した一万枚の日記に挑む

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  • サイズ 新書判/ページ数 302p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166606641
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

内容説明

サラリーマン生活が終わったあと、息子は荷風「断腸亭日乗」にも比肩しうる父の日記をパソコンに打ち込み始めた。そこには貧乏と病気に苦しむ一家族の戦後史が眠っていた。

目次

六十一歳の大学生
父の遺した日記が一万枚
栄養失調症
「わが家には完全に金がなくなった」
スランプ
「生きねばならぬ」
文壇は甘くない
穴ごもり
目標の七十歳を過ぎて
定年のない文学者
父なりのダンディズムを貫き通せたのは…

著者等紹介

平井一麥[ヒライカズミ]
1940(昭和15)年、東京生まれ。父は作家の野口冨士男(本姓平井)。64年慶應義塾大学法学部法律学科卒。京成電鉄入社。78年東京ディズニーランドを建設・運営しているオリエンタルランド社に出向、オープンにたずさわる。2002年3月にサラリーマン生活をおえ、4月、慶應義塾大学文学部社会学専攻に学士入学、卒論として作成した「近現代日本女性史年表」が紀要『哲学』に掲載され、指導教授平野敏政先生のすすめで、大学院で研究をつづける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kuukazoo

8
私小説作家の野口冨士男の遺した厖大な日記(途中4年ほど中断あるが昭和8年から平成8年の死去寸前まで)を一人息子の著者がパソコンに打ち込む作業の中、自身の歩みや回想も交えながら家族について、父親の文壇での交友について書いた本。戦後の生活苦、書けないスランプ状態、自身の体調不良と子供の病気…こんな悲惨な状況の中でも書くことに執着というか「書くことやめたら死ぬしかない」というぎりぎりを生き抜いてきた作家の姿に心震える。文学史的にも興味深く、読みたい作家がまた増えた。2015/04/29

ふう

4
昭和、平成の時代を生きた小説家の家族史。作家の息子さんが、ビジネスマン人生をリタイアしてから、大学生として父親の膨大な日記をまとめる学究生活のなかからでてきた本。 親子の血か。作家の作品にかける執念、小説家の創作に対する意志の力を強烈に感じさせる本。小説家・野口冨士男のものを読みたくなる。 2016年は読書冊数を伸ばそうと新書を積極的に読む計画。最初っからこんないい本にあたると新書あさりが楽しくなってくる。 2016/01/17

kokada_jnet

0
野口冨士男の一人息子の著者が、サラリーマンを退職後、母校に学士入学。父が遺した日記を整理し始める。そのうち、栄養失調で復員した1945年から、93年の死去直前まで。日記の要点を注釈いりでセレクト。その大半は貧乏・病気・スランプとの苦しみ。2011/02/23

yoyogi kazuo

0
野口冨士男「海軍日記」の続編として、作家が亡くなるまでの生涯がその日記とともに身内の視点で語られる。日記全体の刊行が待たれる。それにしても「秋声伝」の野間文芸賞受賞を妨害したのは誰なんだろう。2022/01/29

寛理

0
こういうタイトルで、著者自身のエピソードも書いてあるが、実質的な野口冨士男伝。野口の小説と合わせて読むと楽しめる。2021/07/16

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