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世界遺産東寺見どころ完全ガイド。国宝五重塔はもちろん、隠れ見どころまで

世界遺産東寺見どころ完全ガイド。国宝五重塔はもちろん、隠れ見どころまで

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東寺は、京都の数あるお寺のなかでもとりわけ歴史が古く格式高いお寺のひとつ。東寺の荘厳な雰囲気を、ぜひ着物を着て楽しんでみてはいかがでしょうか。

2022.11.04

よみもの

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京都の風景を想像する時、五重塔が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。五重塔がある東寺は、弘法大師空海にゆかりのあるお寺。見どころも満載です。

今回は、初めて東寺を訪れる方にも何度も訪れている方にも知ってほしい、東寺の見どころをご紹介します。

東寺とは

東寺は、京都市南区にある真言宗総本山のお寺で、多くの見どころがあることでも有名です。

平安遷都とともに建立された、官寺(国立のお寺)である東寺。創建から1,200年を超え、東寺は現在唯一残る平安京の遺構となりました。1994年には、世界遺産としても登録されています。

東寺基本情報

東寺基本情報
アクセス 【電車】
JR「京都」駅から徒歩約15分
近鉄「東寺」駅から徒歩約10分
【バス】
「東寺東門前」バス停から徒歩約1分
住所 京都市南区九条町1番地
費用 【拝観料】
金堂・講堂
大人:500円
高校生:400円
中学生以下:300円
特別公開・特別参拝の場合は別途費用がかかることがあります。
【国宝・五重塔奉納勧進写経納経料】
2,000円
おすすめの時期 桜:3月下旬~4月中旬
紅葉:10月下旬~11月下旬
拝観時間 【東寺の開門時間】
5:00~17:00
【金堂・講堂】
8:00~17:00
【食堂・写経受付】
9:00~15:00
ホームページ https://toji.or.jp/

東寺の歴史

東寺の歴史

東寺の歴史は、794年の平安遷都へとさかのぼります。

東寺と西寺は平安京の正門、羅城門を挟んで左右対称に配置され、東寺は、平安京の東の王城鎮護を担う官寺として建てられました。

東寺は平安遷都から29年目に、桓武天皇の後に即位した嵯峨天皇が弘法大師空海に東寺を託したことから、真言宗密教の根本道場となりました。弘法大師空海は、まず講堂の建立に着手し、次に五重塔の工事に着手したといわれています。

平安時代も末期になると源氏と平家の合戦がおこり、平城京の羅城門は崩れ落ち、東寺、西寺も衰退していきます。しかし鎌倉時代には運慶が諸仏の修復を手掛け、後白河上皇の皇女、宣陽門院が財政の基盤を作ったことから、東寺は復興しました。

一方、西寺は1233年に唯一残っていた五重塔が焼失し、以後復興されされることがありませんでした。羅生門を挟むかつての建築は東寺のみとなり、東寺が平安京の貴重な遺構となったのたのです。

その後、東寺は幾多の戦火を免れてきましたが、金堂や講堂などは486年の文明の土一揆で焼失してしまいました。安土桃山時代になって約100年ぶりに金堂が再建され、焼失後すぐに再建した講堂を含めて、東寺はほぼ元の姿へと復興を遂げたのです。

1965年には、それまで閉ざされていた金堂・講堂の秘仏が公開されました。これは平安時代から受け継いだタイムカプセルを開けるような出来事となります。そして歴史ある東寺は、1994年に世界遺産として登録されています。

東寺の見どころ・王道編

見どころ① 五重塔

五重塔

東寺の五重塔は高さが約55メートルあり、日本一の高さを誇る木造建築です。五重塔には弘法大師空海が唐より持ち帰った仏舎利が納められています。

五重塔の建設には、京都の東山にある木材が利用されました。当時五重塔の建設には、費用も人手も足りておらず、弘法大師空海が、朝廷に材木の運搬の協力を申し出た記録が残されています。

五重塔は歴史の中で落雷などによって4度焼失しており、現在私たちが見ることのできる五重塔は5代目で、1644年に再建されたもの。五重塔の初層内部では、大日如来の周りを四尊の如来、八尊の菩薩が取り囲み、密教空間が広がっています。

通常は非公開ですが、1年に数回特別拝観の期間があるので、その時期に合わせて出向くのもおすすめです。外からは想像できないような、色鮮やかで荘厳な世界を体感することができます。

見どころ② 金堂

金堂

金堂は東寺の本堂にあたります。創建当時から金堂は官寺にふさわしい堂々とした建物でしたが、1486年に焼失しました。

現在の金堂は関ヶ原の合戦後に落慶しており、安土桃山時代の代表的な建物となっています。

金堂内部には東寺の本尊にあたる、薬師如来と日光菩薩、月光菩薩が納められています。

見どころ③ 講堂

講堂

講堂は、弘法大師空海が密教を伝えるために役割を果たした建物です。1486年には講堂も金堂や南大門などとともに焼失しましたが、最優先で再建され、現在もその姿を留めています。

東寺の講堂には立体曼荼羅(りったいまんだら)が納められています。

立体曼荼羅とは弘法大師空海の密教の教えをより視覚的に、よりリアルに伝えるために曼荼羅を具現化したもの。弘法大師空海は、曼荼羅の中心に描かれている大日如来を講堂の中央に安置。大日如来を囲むようにして全二十一の仏様を須弥壇に安置しました。

立体の仏様は平安から時を経た今も、私たちに語り掛けてくださいます。

東寺の見どころ・隠れた名所編

見どころ① 毘沙門堂の贔屓(ひいき)

毘沙門堂の贔屓

東寺の毘沙門堂の隣に亀のような形をした動物が、石碑を背負っている石があります。この亀のような形の動物は贔屓といい、中国の想像上の動物で竜の子とされているそうです。

贔屓は重い物を背負うことを好み、甲羅に建つ石塔は永遠不滅で、万病平穏のご利益があると言われています。万病拭いの布で贔屓を擦り、その布で患部を擦ると効果があるとか。

東寺の境内で静かに佇む贔屓をぜひ一度ご覧ください。

見どころ② 食堂と十一面観音菩薩での写経

食堂

僧にとって修行の場でもある食堂には、本尊の十一面観音菩薩が納められており、ここも見どころのひとつです。

僧はお堂にて十一面観音菩薩を前に写経をしますが、一般客の方でもこの写経を体験できます。

十一面観音菩薩を拝みながらお堂で写経の時を過ごすのも一興。写経体験では書道界の巨匠、榊莫山先生の書をお手本にして般若心経をご自分の手で書き写していきます。日常の喧騒から離れて無心になり、寺ならではの静けさを体験しましょう。

書き上がった写経は永らく五重塔に奉納されます。

東寺に行くなら、落ち着いた雰囲気の着物がおすすめ

絞り染め小紋「彩り鹿の子」|京都きもの市場

絞り染め小紋「彩り鹿の子」|京都きもの市場

東寺では今なお弘法大師空海のためにお膳やお茶が届けられており、密教の格式ある伝統が現在でも息づいています。

東寺に行くのなら、その格式ある伝統や建物に合わせて、落ち着いた大人の雰囲気の着物でお出かけするのがおすすめ。風雅なムードの着物を着て東寺を歩くと、自然と心が洗われるのを感じます。

「昔も今も、大切なものは変わらない」

ぜひそんな気持ちでセレクトした着物でお出かけください。

着物で楽しむ東寺

今回は、東寺の歴史や見どころについてご紹介しました。東寺は、京都の数あるお寺のなかでも歴史が古く格式高いお寺のひとつなのです。

東寺の荘厳な雰囲気を、ぜひ着物を着て楽しんでみてはいかがでしょうか。一層味わい深い観光をご満喫いただけます。

2022.11.11

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