卯の花

だし汁を使わず、
素材の旨みと甘みで深みを出します

和の定番常備菜、卯の花。今回紹介するのはだし汁を加えないシンプルなレシピです。ちくわ、にんじん、ねぎなどの具材をたっぷり使ってごま油で炒め、香ばしさや旨みをしっかり引き出すことで、だしを使ったような旨みがでます。これをおからに上手に吸わせたら絶品の仕上がりに。しかし、水分の多い繊維質のおからは味がしみ込みにくい食材です。味を行き渡らせるために2つのポイントが重要です。

ひとつ目は、おからを炒って水分を抜き、調味料が入りやすい状態をつくること。おからだけを炒めると焦げやすいので、ほかの具材といっしょに炒めて旨みも移しながら水分を飛ばしていきます。ふたつ目は、たっぷりの煮汁を加えて煮ることです。具材の旨みを引き出し行き渡らせながら煮ることで、しっとりおいしい仕上がりになります。

  • ●はじめに具材を焼く
  • ●おからの水分を飛ばす
  • ●多めの煮汁でじっくり煮る

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・つくりやすい量 

  • おから…120g
  • にんじん…1/2本(80g)
  • ちくわ…2本
  • 生しいたけ…3個(60g)
  • 長ねぎ…1/2本(50g)
  • ごま油…大さじ2
  • 〈A〉
    • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ1
    • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ1
    • 砂糖…大さじ1
    • 水…1カップ

つくり方

1. 材料を切る

にんじんは皮をむいていちょう切りに、しいたけは石づきを取って薄切りに、長ねぎ、ちくわは輪切りにする。厚さはすべて5mmにそろえる。

厚めに切るには理由があります

これらの具材は香ばしさや味わいを引き出す大切なだしになります。特にちくわとねぎはそれぞれの甘みがおからに移ることで卯の花らしい味わいになる大事な材料。焼いたり、長時間煮たりしても、素材の味わいと形が残るように、やや厚め・大きめに切っておきます。

2. 焼いて炒める

鍋に油を熱し、〈1〉を広げて中火で1~2分焼いたら、1分炒める。

2分焼くことで素材の味わいを引き出します

しいたけやねぎは油を吸いやすいので、油を多めに熱してにんじんを下に敷くようにします。はじめに動かさずに焼くことが肝心です。ねぎやにんじんからは香ばしさを、ちくわからは濃い味わいを引き出します。少し焼き色がつくくらいに熱します。

3. おからを加えて炒める

おからを加えて、約2分炒める。〈A〉を加える。

おからの水分を抜いてから調味料を吸わせます

おからの水分を飛ばすイメージで炒めます。鍋肌におからがつかなくなるのが目安です。ほろほろの状態にしておくことで、調味料がしみ込んでいきます。

4. 煮る

一度煮立てたら弱火にし、16~17分煮る。

好みのやわらかさまになるまで煮詰めましょう

煮汁を加えると、ポタージュスープのようなとろみになります。ここからゆっくりと煮詰めます。仕上がりの目安は、炒めはじめのおからのしっとりさとやわらかさ。へらで寄せても戻らないくらいで、好みの加減にしてください。熱々ではなく、粗熱をとって少し冷めたほうが香りが立ち、和の常備菜ならではの味わいになります。

(1人分熱量189kcal/塩分1.3g/調理時間約30分)※栄養計算値は3人分としたときの値。

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ヘルシーポイント

おからは食物繊維豊富なヘルシー食材です。栄養価を上げるなら、卵を加えるのがおすすめです。旨みも加わりリッチな味わいになります。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
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公開:2023年10月14日