かれいの煮付け

煮くずれさせずに美しい姿のまま
味をしみ込ませましょう

煮魚は、臭みを消して味をしみ込ませることと、身くずれさせずに煮姿を美しく仕上げることが大切です。かれいの場合は表面のぬめりやくさみが、おいしいさの邪魔をします。ぬめりとくさみを取るには酒をふったり、湯引きなどが一般的ですが、かれいは身がやわらかいので、身くずれしやすく、少し面倒です。そこで、「酒洗い」やみりんを上手に使います。みりんを加えると煮汁にとろみがついて魚へのからみが良くなるので、煮くずれも防げます。くさみを抑え、ツヤよく仕上げてくれる煮魚に欠かせない調味料です。

かれいやアジなどの身が淡白な魚の煮つけの味つけは

しょうゆ:酒:みりん:水=1:1:2:6

が基本です。これをベースに、コクをつけたいときはみりんを増やしたり砂糖を加えたり、あっさりさせたいときには水を増やしていきます。

煮魚の基本は長く煮ないこと。10分を煮る目安にします。強めの中火で一気に仕上げてください。

煮魚は調理道具も重要です。切り身が程よく収まる広さの浅めの鍋かフライパンを用意してください。ポイントは、少ない煮汁で味をしみ込ませるための対流しやすさと、魚の取り出しやすさです。2切れならば直径20cmほどが最適です。やわらかく仕上がった煮魚をくずさず皿に盛るために、縁が浅いほうが取り出しやすいので今回はフライパンを使ってつくります。

  • ●ぬめり・くさみを「酒洗い」で取る
  • ●しょうゆ:酒:みりん:水=1:1:2:6
  • ●煮る時間は10分が目安

この3つのポイントを押さえながら、調理していきましょう。それぞれの工程がなぜ必要なのか、理由も解説していきます。

材料・2人分

  • かれい(切り身)…2切れ(約200~250g)
  • マンジョウ 国産米 こだわり仕込み 料理の清酒…大さじ1~2
  • 〈A〉
    • 水…1カップ
    • マンジョウ 米麹こだわり仕込み 本みりん…大さじ4
    • マンジョウ 国産米 こだわり仕込み 料理の清酒…大さじ2
    • キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ…大さじ2
    • 砂糖…小さじ1
  • しょうが(薄切り)…1かけ分
  • 長ねぎ…1本(100g)

つくり方

1. かれいの下ごしらえをする

かれいは「酒洗い」して5分置く。ペーパータオルでふく。切り目を入れる。

切り目を入れる3つの理由

かれいのくさみ出し・ぬめり取りのために、はじめに「酒洗い」をします。酒をふりかけ指先でなじませたら5分置きます。出てきた汚れはくさみのもとです。ペーパータオルでしっかり、かつ、やさしくふき取りましょう。皮に入れる切り目は×でなく一本で問題ありません。切り目を入れる理由は3つ。加熱した際の皮の縮みを最小限にするため。身の厚い部分にも均一に火を通すため、そして煮汁を内側までしみ込ませるため。切り目を入れないと、皮が一気に縮んではがれやすく、見た目がよくありません。和食は仕上がりの美しさも大事です。

2. しょうが、ねぎを切る

しょうがは皮をむき、薄切りにする。ねぎは長さ5~6cmに切る。

しょうがの皮は魚によって取ったりむいたり

しょうがは皮をむいてから薄切りにします。ぶりやかつおなどの血合いの多い魚は皮つきのしょうがでくさみをしっかりと消しますが、淡白な味わいのかれいの場合は皮を取っておいたほうが合います。ねぎは具材として食べることを意識して大きめに切ります。

3. 調味料を煮立てる

フライパンに(A)を中火で煮立てる。弱火にして、かれい、ねぎ、しょうがを入れる。

2切れなら直径20cmのフライパンを

フライパンは2切れなら直径20cm、4切れなら直径26cmが目安です。はじめに調味料を中火で煮立て、アルコール分を飛ばします。かれいの周りに、ねぎ、しょうがを並べます。

4. 煮る

ペーパータオルは中央に切り込みを入れ、水でぬらして、のせる。強火で再び煮立て、煮立った状態で8~9分煮る。

切り込みを入れたペーパータオルの役割

途中で裏返せない煮魚の上の面にも味をいき渡らせるために、煮汁を対流させます。上面が浸るほど煮汁を増やしてしまうと、今度は火が入りすぎて魚が硬くなってしまいます。中央に切り込みを入れたペーパータオルをのせることで、少ない煮汁が縁からあふれずに対流します。また、ペーパータオルをのせておくことで皮がめくれ上がるのも防ぎます。ペーパータオルに煮汁をかけたら、火を強め、一気に火を通してふっくら仕上げます。

(1人分熱量253kcal/塩分2.8g/調理時間約20分)

かれいの煮つけのレシピだけ見る

ヘルシーポイント

カロリーを減らすならば砂糖を減らします。みりんの甘みのおかげで味のバランスは保てます。きのこを加えてヘルシーにカサ増しするのもおすすめです。

料理/小田真規子 撮影/高杉 純 文/峯田亜季 デザイン・コーディング/高橋裕子・長瀬佳奈江(Concent, Inc.)編集担当/杉森一広 市川真規(キッコーマン)
※商品情報は本ページ公開時のものです。公開後にリニューアル、販売終了等になることがありますので詳しくは当社サイトの商品情報をご確認ください。
公開:2023年4月28日