当初、思想的に極端に偏りのある人物による理解しがたい事件だと考えていたが、被告に措置入院歴があり、薬物の問題もあったと知り、弱ったなと。というのは一般の人はもとより、精神科医療関係者にさえも薬物依存症患者に対する抵抗感や偏見があり、そうした状況を改善しようと自分なりに努力してきた。事件によって偏見が強まるのと同時に、薬物依存症患者にとって地域の医療機関が最後のとりででなくなるのではと危惧したからだ。
見過ごせないのは、事件の5カ月前に精神科治療歴があった事実だ。こういった偏った思想を持つ人物が医療サービスを求めに来たとき、医療関係者に何ができるのか。改めて考えなくてはならない。
ショックだったのは、被告が障害者を支援する側だったにもかかわらず、障害者を劣ったものとみる優生思想を持っていたこと。