日本文学の名作を一人芝居で表現する舞台が21日、相模原市中央区のメイプルホールで開催される。演目は、水俣病に苦しむ患者の世界を描いた「苦海浄土(くがいじょうど)」などの著書で知られる、作家・石牟礼道子(いしむれみちこ)さんの作品「椿(つばき)の海の記」。独演に挑む俳優・井上弘久さん(70)=同区=は「石牟礼さんの作品は人として大切にしたいことが詰まっている。人や自然とのつながりが感じにくくなっているいまだからこそ、多くの人に見てもらいたい」と語る。
「椿の海の記」は、2018年に90歳で死去した石牟礼道子さんの自伝的作品として知られる。4~5歳の「みっちん」(石牟礼さん)が故郷の熊本で家族や自然に囲まれ、のびのびと成長する様が描かれている。