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関連図の書き方 基本編

実習中の看護過程の中で、必ずと言っていいほど「苦手…。」の声が聞こえてくるのが関連図ですよね。初めての実習に臨まれる学生さんになると、授業中に習った関連図とは違い、実在する患者さまの関連図は、より難しさを感じるのではないでしょうか。今回は、この関連図の書き方のポイントをお伝えします!

そもそも関連図って何?

関連図とは、患者さまの情報と情報のつながりを示した図になります。関連図を書くことで、病態や状況などを視覚的に把握できるようになり、情報の整理にもなります。
関連図には、病態関連図全体関連図の2種類があります。

病態関連図とは?

病態関連図とは、患者さまの病気に関する情報から看護問題までを示した関連図になります。病態関連図では、患者さまの病気や原因、症状、治療や治療に伴う作用・副作用を書き出します。さらに、治療の作用や副作用により起こりうる生活への障害から看護問題までが矢印で繋がっていきます。病態関連図に書く内容は、基本的に教科書に載っていることになります。

病態関連図(病気の原因、症状、作用・副作用)

全体関連図とは?

全体関連図とは、病態関連図に、患者さまの生活習慣、家族背景、社会的役割などの情報が加わったものです。入院や病気による状況の変化の情報も入っていきます。

全体関連図(病態関連図+患者さまの生活習慣、患者さまの家族背景、患者さまの社会的役割、など)

どうして関連図は必要なの?

関連図を書く理由は、患者さまの全体像の把握です。線と線をつなぎ、情報を整理することにより、混乱した情報をひとつにまとめることができます。患者さまと病態、生活背景、心理的要因の全体を把握することで、適切な看護ケアを明確にすることができます。
最終的には看護問題を導き出すことが、関連図の役目になります。

病態関連図の書き方をご紹介します

本ステップでは、実習中に受け持つことが多いアテローム血栓性脳梗塞の患者さまを例に解説します。

Step1 患者さまの情報から病態の原因を探る

まずは、患者さまの情報から、病態の原因を書き出していきます。
アテローム血栓性脳梗塞では…

食生活の乱れ→高コレステロール血症→血管壁の肥厚→脳血管の閉塞

というようにつながっていきます。

ここでは、教科書などの文献で疾患の病態を調べて、書き出すようにしましょう。それぞれの患者さまで、病気を引き起こす原因は変わっていきますので、患者さまに合わせた原因を書き出していきましょう。例えば、アテローム血栓性脳梗塞の原因に遺伝性があっても、患者さまに遺伝的要素がなければ省いて大丈夫ということです。

Step2 診断名から症状を書く

次に、原因によって引き起こされた病気(診断名)を書き出し、そこから現在、起こっている症状を書いていきます。
先ほどのアテローム血栓性脳梗塞の例でいうと…

「脳血管の閉塞→アテローム血栓性脳梗塞→左半身運動領域の障害→左半身麻痺」さらに「脳血管の閉塞→アテローム血栓性脳梗塞→顔面神経麻痺・舌咽神経麻痺→嚥下障害」

となります。

必ず、症状の原因まで書き出しましょう。なぜその症状が出現するかは、それぞれの病態生理になっていきますので、教科書や参考書で病態を調べて、書き出していってください。

Step3 患者さまの状態から看護問題を考える

そして、症状から起こる、患者さまの状態から看護問題に結び付けていきます。ここではまず、症状が患者さまにどのような影響を与えているかを書いていきます。
アテローム血栓性脳梗塞の症状である「左半身麻痺」で例えると…

「左半身麻痺→運動機能やバランス力の低下→#歩行時の転倒リスク」

ともなりますし

「左半身麻痺→運動機能低下→清潔動作困難→#ADLの低下」

ともなります。
最終的に、症状から導かれる状態とそれに対する看護問題が浮き出てきます。

Step4 治療と副作用について加える

最後に治療と副作用などを加えていきます。治療の段階で、作用や副作用がどのくらい患者さまに影響を与えているかによって、書くボリュームや矢印の状況は変わっていきます。
例えば、先ほどのアテローム血栓性脳梗塞で考えると…

「アテローム血栓性脳梗塞→抗血栓療法→易出血状態→#出血のリスク」

といったことが出てきます。

病態関連図の書き方のポイント

Point1 ふせんを使う

ふせんに書き出して、あとで並べ替える方法はおすすめです。矢印があちこちに散らばって混乱してしまう方に特におすすめします。思いつく限りどんどんふせんに書いて、並び替え、最後に矢印で結んでみましょう。


Point2 テンプレートを知っておく

参考書やテンプレートのパターンを知っておくことを、おすすめします。参考書としては、看護ケア関連図や疾患別看護過程の参考書が便利です。「看護師になろう」は、サンプルレポートがダウンロードできますので、テンプレートとして活用してください。

どんどん参考書やネットで調べて、知っておくことで、自分流にアレンジができるようになります。関連図の配置や看護問題などは、ある程度パターン化されていますので、ぐっとスムーズに書けるようになります。

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Point3 自分で書いた関連図をたどってみる

書き終えたら確認作業を

最終的な確認作業では、「なぜかというと?」と言いながら、自分の書いた関連図をたどってみてください。自分の関連図で自問自答するということです。答えに対するつじつまが合わない部分は、途中の内容が抜け落ちている可能性があります。学校の友人に説明してみてもいいですね。

病態関連図ができたら

病態関連図を書いた後に、全体関連図を書き加えて、患者さまの関連図が書き上がります。病態の部分は細かく、全体的に患者さまの個別性を重視した内容になると、かなり評価もあがります。

現在の症状や原因、心理的・社会的要因は個々の患者さまによって異なります。まったく同じ人なんていませんよね。目の前の患者さまの状態をみて、その人に何が起きていて、何が問題なのかをよく観察しましょう。

心理的・社会的要因も忘れずに

どのような心理的・社会的要因が絡んでいて、どのように影響しているかも重要なポイントになります。テンプレートの患者さまではない、実際の患者さまに起きていることを記入することで、個別性のある関連図になっていきます。
例えば、同じ「転倒のリスク」の問題でも、Aさんの場合では…

「夜間頻尿→ナースコールは遠慮してしまう→自分でトイレに行こうとする→#転倒のリスク」

となる場合もあります。しかし、Bさんの場合は…

「夜間頻尿→自分でトイレに行けると思い込んでいる→自分でトイレに行こうとする→#転倒のリスク」

というタイプもあります。同じ夜間頻尿からくる転倒のリスクでも、患者さまによって理由が違い、そこに個別性が現れていきます。

書き方のコツ!

個別性を重視した関連図に仕上げるためには、とにかく細かく書き出すことや、患者さまが言っていた言葉を参考に書き出すことがコツになります。

最後に

関連図に関して、苦手意識をもっている方もたくさんいると思いますが、いきなり完璧な関連図をスラスラ書こうと思わなくても大丈夫です。まずは、わかっている情報を書いてみましょう!
ふせんに書いてみて、並べ替える方法はおすすめです。どんどんふせんに情報を書いてみると、不思議と矢印でつながっていく様子が目に浮かんできます。すると、患者さまの全体像が理解できるようになってきます。ぜひ参考にしてみてください!

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