睡眠中のホットフラッシュ、対処方法を伝授

寝苦しさを感じる女性
お悩み相談の回答

ご相談内容

ももりん様(49歳)
睡眠中の寝汗がひどく、特に明け方には寝汗で何度も目が覚めます。予防法や心がけがあれば教えてください。

回答

ももりん様、この度はご相談いただきありがとうございます!寝汗がひどく睡眠中、何度も目が覚めてしまうとのことですね。睡眠の質も下がり、疲れもたまりがちなのではないでしょうか?さぞお困りのことと思います…。

更年期(閉経のタイミングの前後5年間、おおむね45~55歳の時期)にさしかかると、女性ホルモンの量が波打つようにゆらぎながら減少していき、この急激な変化に伴う自律神経の乱れが原因となり、発汗の症状が気になる方が多くいらっしゃいます

ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)や発汗などの血管運動神経症状は、更年期の代表的な症状の一つです。ホットフラッシュは実際には昼間だけでなく、夜中も同様に起こるため、睡眠時にもほてりや発汗が起こります。就寝中に、体が熱く感じ何度も目覚めてしまうことで、入眠障害や熟眠障害となる恐れもあります。

参考記事:ホットフラッシュと不眠には深い関係が?


女性ホルモンの減少による不調自体のピークは、平均で2~3年、長くても5年ほどで治まるものとはいわれますが、お悩みが強く、日中の生活に支障をきたす場合などには、婦人科の受診もおすすめします。

今回は、ご質問いただいた「寝汗の予防法や心がけ」につながるセルフケアをいくつかご紹介いたします。
まず食事面からまいります。

大豆イソフラボン

★大豆イソフラボンを補う

更年期特有の悩みは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用をする大豆イソフラボンを摂ることで、緩和することが期待できます。
大豆イソフラボンは豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品から摂ることができます。一日の摂取目安量の上限は、70~75mgといわれていますので、食品でいうと
・豆腐1/3丁(100g)で約20mg
・納豆1パック(50g)で約37mg
・豆乳コップ1杯(200ml)で約50mg
の大豆イソフラボンが含まれています。

日々、コツコツと摂ることがおすすです!一定の量の大豆食品を毎日食べることが大変な場合には、サプリメントを活用されるのも良いと思います。

更年期に摂りたい成分:大豆イソフラボン

★トリプトファンを摂る

トリプトファンは、快眠を誘うメラトニンというホルモンを体内で作るのに役立ちます。
・乳製品
・豆類や穀類
・赤身の肉や魚
・バナナ
などに多く含まれます。またトリプトファンの他にも、ビタミンやミネラルなどもメラトニンを作るのに必要ですので、色々な食材をバランスよく食べる意識が快眠の役に立ちそうです。

★GABA、テアニンを摂る

快眠に良い成分として、気分を落ち着かせる効果があるGABAとテアニンもおすすめです。
GABAはトマトやナス、じゃがいも、発芽玄米などに含まれ、テアニンは緑茶などに含まれています。
こちらも、食品で摂れていないかも、と思われたときにはサプリメントで手軽に摂ることもできます。

次に運動面ですが、ストレス発散、リフレッシュもかねて、体を動かして血行を促し、適度に汗を出すこともおすすめです。
昨今の外出自粛の影響もあり、自宅でPC作業が続いたり、長時間同じ姿勢でいることも、血行を妨げかねません。なるべく同じ姿勢でい続けることのないよう、こまめに動く、トイレに立ったときなどにストレッチや軽い体操をするなど、少しでも筋肉を動かす機会を増やすようにすることもおすすめです。
ラジオ体操や筋トレなど、家で手軽にできることを始められるのも良いですし、ウオーキングの時間がとれるときには、スキマ時間を活用して近所を歩くのも立派な運動になります。また、車での買い物を自転車や徒歩に変える、などというのも体を動かす機会を増やすことにつながります。無理のない範囲で少しずつでも動く時間を増やしてみてはいかがでしょうか?

参考記事:1日5分の簡単スロトレで更年期の冷えを乗り越える!

その他、寝る前には好きな音楽を聴いたり、アロマなども活用してリラックスした夜をお過ごしくださいね。

参考記事:アロマで更年期症状を緩和!おすすめの香りは

以上ひとつでも、ももりん様のお役に立てたら嬉しく思います。
セルフケアは、更年期の一時的な不調の改善だけでなく、これから先を美しく健康で過ごしていくためのケアにもなります。また、継続することで効果があらわれやすくなりますので、まずはやりやすそうなものや続けやすそうなものから、試されてみてくださいね。
またいつでもご相談をお待ちしております!

※症状が強く日常生活に支障が出る、セルフケアを実践しても気になる症状に変化がない、などのお困りの状態が続くようであれば、受診を検討されることをおすすめします。
専門医を探される際のご参考といたしまして、一般社団法人日本女性医学学会ホームページ内の「女性ヘルスケア専門医リスト」をご紹介いたします。
更年期障害の治療に力を入れている医師や病院の多くは、患者の話に耳を傾け、つらい症状を緩和するための治療方針を立ててくれます。下記ページより、お住まいの地域ごとの医療機関をご検索いただくことができますのでご参考ください。
一般社団法人日本女性医学学会ホームページ


右田尚子

管理栄養士、健康運動指導士、メノポーズカウンセラー。キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)営業部所属 お客様担当

過去に特定保健指導業務や自治体の健康運動支援事業に従事し、現在に至る。

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