『恋人以上、夫婦未満』

 国民栄誉賞も受賞した森光子さん(享年93)が亡くなったのは2012年のころだった。生前の彼女はジャニーズ事務所とは関係が深く、テレビ視聴者のなかには“ジャニーズの母”と捉えるむきもあった。

「森さんと事務所の元副社長のメリー喜多川さんは20代後半ごろに仕事で会って以降、親友として深い関係性を築いてきました。森さんの誕生日や節目となる舞台公演には東山やジャニーズJr.らが駆けつけることも多く、それがワイドショーで毎回放送されるなど、同事務所との親密ぶりは誰から見ても明らか。

 多くのジャニーズタレントとの接点を持つなかで、ことさら特別なのがヒガシだった。かつてテレビで彼が『恋人以上、夫婦未満』と発言したこともあります。また、森さんが歩くときは必ず隣に立ち、エスコートするように手を持つのが慣例だった。ファンたちの間ではずっとファンタジーとしての“カップル”という認識でしたね」(ワイドショースタッフ)

 今回の会見で記者が触れた“噂”というのは、森さんの死後間もなくに発売された、『週刊文春』(2012年12月20日号)で詳報された《森光子「東山紀之」への遺言状》に端を発していると思われる。記事では『遺産の一部を東山紀之に譲る』といった遺言があったことや、森さんと同じマンションの住人の証言として、 “多いときは週4回の頻度で東山が森さんの自宅マンションに深夜にやってきては朝に帰っていく”といった声などが掲載されていた。

 しかし、東山の森さんへの思いは恋人へのそれとは異なるようにも思える──そう話すのは舞台関係者。東山は2010年に女優の木村佳乃と結婚、しかし当時は結婚式を延期していたという。

「森さんの体調が芳しくないから無期限延期というかたちをとっていたようです。“芸能界の母である森さんなくして式は挙げられない”と」(舞台関係者)

 そして、その“親子愛”は妻の木村が出産したあとも。

第一子が生まれたばかりのころ、東山夫婦は森さんのもとに子どもを見せにいったのですが、お子さんが手を伸ばして森さんの指を握ったんだそうです。それについて東山さんは感動し、周囲によく話していましたね。……そんな強い関係性があるからこそ、性加害についての会見で、新社長になった自分の粗探しをするような“森光子”の名前を使った質問に怒りを覚えたのではないでしょうか」(同・舞台関係者)

 あらゆる問題が山積みのジャニーズ事務所。新社長の活躍ぶりを、天国の森さんも見ていてくれていることだろう──。