美味!ブランド

下植木ネギ

太く甘く香り良く

 太さと甘さ、香りの良さが特徴の「下植木ネギ」。伊勢崎市下植木地区で、伝統野菜として大切に育てられている。旬は冬場で、寒さが厳しさを増すと糖度が高くなるため、これからますますおいしくなる。

 栽培の歴史は古い。伊勢崎藩の家老が1798年に編さんした「伊勢崎風土記」には「葱(ネギ) 下植木村出者 最美味」とある。伊勢崎銘仙が盛んな頃は織物業者が高級な歳暮品として使い、京都や大阪の問屋筋にも知られていた。

 生産者による下植木葱研究会(桜井健策会長)が「地元の大切な野菜を絶やさないように」と自家採種して栽培。地元のJA直売所やスーパーなどで販売している。伝統野菜のPRや食育の一環で市内の学校給食にも使われている。

 白い部分だけでなく、緑の部分も幅広く料理に活用できる。鍋物に最適で煮崩れせず柔らかい。すき焼き、みそ汁、天ぷらなどにしてもいい。

 桜井会長(69)=下植木町=は「猛暑など天候に左右されたり、生産者の高齢化や、収穫量が限られるといった課題はあるが、味には自信がある」と話している。