16日は「和菓子の日」。848年、時の仁明天皇が16の数にちなんだ菓子や餅を神前に供えて疫病よけや招福を祈願し、この日に改元したことに由来するという。古くから私たちの暮らしに根付いてきた和菓子。見た目も味も楽しめる、季節感豊かな品々を紹介する。

水中菓
御菓子司かねもと (沼田市)

 朝顔、青カエデ、スイカ、若アユ、金魚―。寒天やくず粉を使った和風ゼリーの中に、五つの夏の風物詩を表現した。創業100年を来年迎える「御菓子司かねもと」(沼田市)の「水中菓」(1個230円)は、5月から8月ごろまでの期間限定商品だ。

「材料にこだわり心を込めて作っている」と話す4代目の本山雄一さん

 都内で修業後、8年前に職人として家業に入った4代目の本山雄一さん(31)が、地元のリンゴ、ブドウ果汁や北海道産小豆を使ってミニカップの中に丁寧に作る。アユはようかんを型抜きし、朝顔やスイカは練り切りで細工。「冷やして食べて夏らしさを感じてほしい」と上品な味を薦める。

 社長の3代目、和政さん(66)の時代から創作菓子に力を入れており、100種類近い商品を取りそろえる。定番の「かすたあ大福」(120円)やコーヒー味の「わらび餅」(610円)も人気。和政さんは「伝統の味を守りつつ、ニーズに合った商品を提供したい」と話す。

【メモ】午前8時~午後6時半。火曜定休。☎0278-24-5678


和菓子屋のあずきアイス
和む菓子 なか又前橋本店 (前橋市)

 前橋中央通り商店街の一角にある「和む菓子 なか又前橋本店」(前橋市)では、ひんやりした口当たりと適度な甘みが心地よい小豆のアイスキャンディーなどが楽しめる。

 「和菓子屋のあずきアイス」(302円)は、砂糖の量や炊き上げの調整などにこだわった北海道十勝産小豆100%の自家製粒あんで作り、主張し過ぎない上品な甘さと豊かな風味が特長。商店街散策のお供にもぴったりだ。店長の増田優介さん(27)は「大人の味覚でも満足できるアイス。街中をのんびり歩きながら味わってほしい」と話している。

【メモ】午前11時~午後6時(生菓子が完売し次第閉店)。不定休。☎027-896-9359


氷室の抹茶
大間々青柳 (みどり市)

 厳選された抹茶、牛乳、わらび粉で仕上げた「大間々青柳」(みどり市)の特製わらび餅「氷室の抹茶」(1個250円)。抹茶の豊潤な香りと、もちもち、ぷるるんとした食感にリピーターが続出している。

 10年ほど前から5~9月限定で販売している。水に替え、牛乳を使うことでクリーミーさを増した。1度蒸してから抹茶を練り込んで仕上げる。笹の包装が氷室の涼しさを連想させる。口の中に広がるまろやかさと、はかなげなようでしっかりと余韻を残す独特の食感が絶妙だ。

 店主の小倉章弘さんは「幅広い年齢層に支持され、大変作りがいがある」という。

 【メモ】午前9時~午後6時(火・日曜、祝日は同5時)。水曜定休(6月は木曜も)。☎0277-72-1475