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古舘キャスター「報ステ」降板、会見詳報

「不自由な12年」

 テレビ朝日の報道番組「報道ステーション」を来年3月いっぱいで降板することを発表した古舘伊知郎キャスター(61)が24日、東京・六本木の同社で記者会見を行った。古舘キャスターの冒頭の発言は次の通り。

 報道ステーションと言う番組タイトル、および番組はしっかりと残りますので、私のみが去る。これはこれでいいなと思います。できれば、MCが代わるわけですから、今までの報道ステーションを報道ステーションエピソード1、4月からはフォースの覚醒とかやってくれるとちょうどよかったかなと思いますけども、これもよしと思っております。

 一つ言わせていただきたいのは、私の学び舎であるテレビ朝日、私はNETの入社試験を受けて、4月1日、茶封筒を持って入社式に臨んだ時には、看板は付け替えられていて、テレビ朝日と名前が変わっていた。僕は場所を間違えたのかと思いました。1977年にこの学び舎に入れていただいて、育てていただいて、フリーになってやってきましたが報道ステーションは2004年の4月にスタートしたわけですけども、その3年くらい前から私の事務所の会長と、現在テレビ朝日の会長の早河さんが会って、ニュースステーションの後をやってくれないかという交渉があったやに聞いています。私も、最後の1年くらいは参加したりして、でも、ずっと固辞しておりました。

 エンターテインメントという言葉がありますが、僕はテレビは娯楽の箱だと思っていますので、スポーツ実況はバラエティー、その他司会、トーキングブルース、娯楽物で生きていきたいと言っていた。早河さんがうまくてですね、最後のほうは、古舘さん、自由に、あなたの絵を描いてよ、報道番組で、と言っていただいて、ころっとだまされてやるって言っちゃったんですね。絵を自由に描いてよ、という割にはものすごく不自由な12年間でございますけども。やってみたらとんでもないことで、言っていけないことと、いいことと、大変な綱渡り状態。

 10年ひとくくりと内心思っておりまして、学び舎に貢献させていただかないといけない、指導者のかたに応えないといけない、という風に思ってやってまいりましたけども、10年を一つの区切りとして、今から2年くらい前ですけども、別な挑戦をさせていただきたい、と早河さんにお願いしました。でも、まだ契約が2年残っているし、もうちょっと頑張ってよ、というのが正直なところです。それから2年間よし、頑張るぞ、と頑張ってまいりまして、今年の夏くらいでしょうか、12年を一つの区切りとしてやめさせていただきたいと申し上げて、来年もやってよ、と慰留していただいたのはテレビ朝日、本当に感謝でございます。うれしいんですけども、固く、12年を一つの区切りと思ったので、辞めさせていただきたいというのを了解していただいた次第です。

 卒業という都合のいい言葉もありますけども、自分で自主卒業というのはないので、ただ辞めるということです。もし卒業ということなら、12年もやっている訳ですからね、相当留年している。卒業と言うより、辞めさせていただくということです。

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