特集 国母和宏

服装問題、世紀の記者会見

 打倒ショーン・ホワイト、金メダル獲得を目指してカナダ・バンクーバーに旅立とうとした国母和宏。ところが、思わぬところに落とし穴があった。成田空港に現れた国母は、選手団正装のジャケットを着用していたが、ワイシャツのすそをベルトの外に出し、スラックスを腰までずり下げていた。国母独特のファッションがだらしないと、全日本スキー連盟には抗議が殺到した。そのままバンクーバーへ出国した国母だったが、選手村の入村式は参加を自粛。服装の乱れに対し注意を受けたためだ。
 国母の服装問題が発生したため、スノーボードHP陣の記者会見は非常に注目された。「自分の滑りをする」と意気込みを語った国母。これで終わればよかったのだが、記者団からはやはり服装の乱れについて質問があった。答える前に国母は小声で「ちっ、うっせーな」と舌打ちし、報道各社のマイクで拾われてしまう。さらに「反省してまーす」と反省しているとは思えない、間延びした声で答えた。この軽々しい受け答えは、一部のウインタースポーツファンからは「世紀の会見」とも呼ばれている。
 当然、事態はさらに悪化。全日本スキー連盟からは国母の五輪出場辞退の申し入れがあった。これに対し日本代表選手団の橋本聖子団長は会見を開き、国母を予定通り五輪に出場させると発表した。同席した国母は「責任を重く感じています」と、今度こそ真の反省を口にした。
 国母和宏―。この名を広く知らしめたのは、スノーボードの実績でも「ダブルコーク」でもなく、一連の騒動とする見方もある。(2010/10/19)

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