大相撲、賭博問題

琴光喜、賭博関与認める

 日本相撲協会は14日、週刊誌で野球賭博をしていると報じられていた大相撲の大関琴光喜(34)=本名田宮啓司、佐渡ケ嶽部屋=を含む29人が野球賭博に関与していたと発表した。ほかに、賭けマージャンなどにかかわったことがあると届け出た力士らが36人いた。協会員全員を対象とした賭博に関する実態調査で分かったが、琴光喜以外のしこ名などは公表しなかった。
 琴光喜は週刊誌上で、野球賭博の常連客になっており暴力団関係者と金銭トラブルを抱えているなどと伝えられた。相撲協会への申告では、関与した賭博に暴力団が介在していたかどうかは明らかにしていない。相撲協会は15日に臨時理事会を開き、この問題を検討する。
 相撲協会は11日、複数の力士が野球で賭け事をしたと発表し厳重注意した。各部屋の師匠を通じて力士や親方に対する賭博問題の調査を実施し、相撲協会は自主的に申告してきた力士らは厳重注意にとどめるという方針を示していた。
 だが、相撲協会は申告のあった上申書を警視庁に通報。今後、警視庁の捜査対象となる可能性があり、暴力団へのかかわりが判明すれば厳罰が下される見込み。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「警察に報告したのでお任せしています。処分は警察の判断を待つ」と話した。琴光喜は野球賭博疑惑に対し、5月の夏場所中に警視庁から任意の聴取を受けたが関与を認めず、夏場所後に行われた理事会での聴取や、報道陣の取材にも一貫して事実関係を否定していた。しかしこの日は、千葉県松戸市の自宅前で取材に応じ、報道陣に対し初めて関与を認めた。
 相撲協会は、暴力団幹部らに本場所観戦の便宜を図ったとして、5月の理事会で木瀬親方(元幕内肥後ノ海)に部屋閉鎖と2階級降格の処分を下している。(2010/06/14)

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