若松勉監督のヤクルトと、梨田昌孝監督率いる近鉄の初顔合わせ。「いてまえ打線」と言われた近鉄の強力な攻撃陣を、12球団随一の防御率を誇るヤクルト投手陣がどう抑えるか、が最大の焦点と言われた。
ヤクルトが先勝し、近鉄が巻き返してタイに。第1戦で石井一久が7回1死まで無安打投球、第2戦は近鉄が中村紀洋らの3本塁打で打ち勝つなど、互いに持ち味を出した。舞台が神宮球場に移ってから流れは一気にヤクルトへ。第3戦で入来智が好投、第4戦では前田浩継が踏ん張り、副島孔太の決勝本塁打で王手をかけた。強さの象徴でもあった投手陣がよくしのぎ、「先発投手がしっかり投げてくれた」と若松監督。第5戦もホッジスが試合をつくり、高津臣吾が締めくくった。
日本一決定の瞬間には2つの歓喜の輪。1つはマウンドの高津、もう一つはウイニングボールをつかんだ古田敦也捕手の周りで。投手陣を好リードし、日本一に導いた主役が誰なのか、ナインの誰もが熟知していた。
〔写真〕4年ぶりの日本一に輝き、祝勝会で鏡割りをするヤクルトの若松勉監督(中央)と高津臣吾投手、ロベルト・ペタジーニ内野手ら=東京・千代田区のホテル(2001年10月25日) 【時事通信社】
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