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2022.07.17

「あけび」とはどんな果物?食べ方や味、あけび狩りができる農園を紹介!

日本各地に分布する植物「あけび」について解説!旬は?どんな味?どうやって食べる?購入できる場所は?「あけび狩り」ってあるの?など、様々な疑問や謎を調査しました!

秋になると現れる、とろりとした白いゼリーのような果肉の味は、優しい自然の甘さ。おいしいあけびを見分けるコツや食べ方などもご紹介します♪

※この記事は2022年7月11日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。

記事配信:じゃらんニュース

「あけび」とはどんな果物?

山に自生し、秋に甘い実がなる果物

あけび (画像提供:写真AC)

「あけび」と聞いて「あ~、あれね!」「小さい頃食べたよ、懐かしい!」という人は、さては相当なアウトドア好きか、野山に囲まれた地域の出身ですね?

「あけび」は日本各地の低山地に自生しており、大きな木にツルを巻きつけて成長する植物です。

紫色のサツマイモのような皮に包まれた白い果肉の実が特徴的。実はだいたい全長10cmほどで、熟すとパックリ割れて、乳白色のゼリーのようなとろとろの果肉があらわに!

中には小さな黒い種がぎっしり入っており、見た目にちょっと抵抗感を持つ人もいるでしょう。種は食べられませんが、白い果肉は食べることができます。

「あけび」の旬や食べ頃は?

あけび(画像提供:写真AC)

あけびは、5月頃に小さな花を咲かせます。秋には実が大きくなり、皮が紫色になって熟します。完熟したらぱっくりと自然に皮が割れて、中の実をのぞかせるのが最大の特徴。収穫時期は8月下旬から10月中旬頃です。

「あけび」の産地はどこが有名?

あけび(画像提供:PIXTA)

日本各地の山間部で自生しているあけびですが、農家での栽培が盛んなのは山形県。国内出荷量の約9割が山形産なんです。

東京ではスーパーなどで売られているのを見ることはほとんどありませんが、調べてみると、最近はネット通販でも購入できるよう。

子どもの頃、山に自生しているあけびを食べたことがある人もいるかもしれませんが、山には所有者がいるので、見つけても勝手に採って食べないよう注意してくださいね。

「あけび」ってどんな味がするの?

あけび(画像提供:PIXTA)

熟したあけびの果肉は、とろっとしたゼリー状で透け感のある乳白色。酸味はなく、バナナや熟した柿にも似た味ですが、素朴で優しい甘みの果実です。

少し物足りない味に感じる人もいるかもしれませんが、甘いものが貴重だった時代や山歩きに疲れた時などには重宝されたのでしょう。

「あけび」は漢字でどう書く?

よく使われる「木通」、その他の字も

あけびを漢字で書く場合、いろいろな字が使われています。

最もメジャーなのは「木通」。ツルに空洞があるため、「ツルを切って吹くと風が通る」というのが由来といわれています。漢方では木の部分を「木通(もくつう)」とも呼びます。

そのほか、「通草」「山女」「丁翁」などの字も使われています。

「あけび」の種類

アケビ

アケビ(画像提供:PIXTA)

「アケビ」は日本、中国、朝鮮半島などが原産地とされる植物。長楕円形の小葉が5枚で、葉の縁はなめらか。花の萼(がく)は淡紫色です。

比較的温かい気候の地域に多く、東北地方の低地から九州にかけて分布しています。

ミツバ(三つ葉)アケビ

ミツバ(三つ葉)アケビ(画像提供:PIXTA)

「ミツバアケビ」の特徴は、その名の通り3枚の小葉があること。小葉の形は幅の広い卵形で、葉の縁がギザギザしているのも特徴。花の萼(がく)は濃い紫色です。

「アケビ」と比較して、少し寒冷な気候の地域に多く、北海道から九州に分布。また、中国などにも自生しているといわれています。

ずんぐりとした実は「アケビ」「ゴヨウアケビ」よりも大きめサイズ。見た目も鮮やかな紫色になるものが多いため、農家で栽培しているのはこの品種・系統のものがほとんどです。

ゴヨウ(五葉)アケビ

ゴヨウ(五葉)アケビ(画像提供:PIXTA)

「ゴヨウアケビ」は、「アケビ」と「ミツバアケビ」の雑種。そのため、小葉は3枚のものも5枚のものもあるなど、変化に富んでいます。

その他のあけび

国内に自生している主な種類は上記の3つですが、「エゾノミツバアケビ」「イッサイシロアケビ」などの変種とされているものや、園芸用に品種改良された「白あけび」などもあります。

あけびは、同じ種類・系統の中でも、葉の形や小葉の数、花の色、果実の色や大きさ、味などの個体差が大きい植物。そのため、種類を見分けるのが難しい場合もあります。

「あけび」の食べ方

実?皮?どこが食べられるの?

あけび(画像提供:写真AC)

次に、あけびをおいしく味わう方法についてご紹介します。

あけびは、白くて甘い果肉だけでなく皮も食べられることはご存じでしたか?果肉はそのままでも食べられますが、皮はアク抜きをして加熱調理すればおいしくいただけますよ。

果肉の食べ方

あけび(画像提供:PIXTA)

あけびの果肉は、そのまま生で味わうのが一般的。皮の裂け目の部分から、スプーンなどですくって食べます。黒い種は食べられませんので、ご注意を!

また、凍らせて食べるのもおすすめ。目の細かいザルなどで裏ごしし、種を取り除いた状態で凍らせます。ゼリー状の果肉は凍らせても固くなりすぎず、シャリッとした食感のシャーベットとして楽しめますよ。

皮の食べ方  

あけび(画像提供:PIXTA)

先ほどもご紹介した通り、皮はそのままでは食べられません。水に数時間浸けてしっかりアクを抜いてから、加熱調理していただきます。

少し苦味があるため、天ぷらにしたり、味噌やバターで炒めたり、佃煮にしたり…。油を使った料理や、濃い味付けの料理にピッタリ♪産地の山形県では、肉詰めが郷土料理として知られています。

また、春に芽を吹く新芽も食べることができます。

美味しい「あけび」の選び方

皮の色ツヤ、柔らかさが判断の決め手

あけび(画像提供:PIXTA)

では、美味しいあけびはどのように見分ければよいのでしょうか?

・色
品種にもよりますが、あけびの実の皮がより鮮やかで美しい色のものを選びましょう。

・ハリ、ツヤ
果実全体がふっくらしており、皮にみずみずしさやハリがあるかどうかもポイントです。しぼんでいたり、しなびたりしているものは鮮度がよくないかもしれません。

・果皮の割れ
皮に裂け目が入っているのは完熟の証です。割れていない場合は、果皮に弾力があるかどうかも判断ポイント。皮に筋がハッキリ見えていて柔らかいものは、軽く押すだけでも簡単に割れますので、店頭で手に取る際はご注意を。

こうしてみると、普段フルーツを選ぶ時とほとんど同じ基準ですね。まだ実が裂けていないあけびの実を購入した場合は、冷蔵庫に入れて数日様子を見てみましょう。皮が割れたら食べごろですよ。

あけび狩りができる農園

あけびの里【長野県・天龍村】

あけびの里(画像提供:あけびの里)

全国でも珍しい、あけびの収穫体験を開催している施設が長野県にあります。

25a(アール)ほどの農園に約200本のあけびが植わっています。収穫方法は、ハサミで実の根元をカットするだけ。指定のカゴ1杯に詰め放題で、時間は無制限です。収穫したあけびは持ち帰って食べてくださいね。

ただし生育状況などの都合で、あけび狩りを開催できない年もあるそう。お出かけの際には、事前の確認をお忘れなく!

[開催期間]9月中旬~10月上旬(予定)
[入園料]小学生以上1500円、未就学児無料 ※あけびカゴ1杯詰め放題、時間制限なし。カゴ1杯を超えた分は追加料金1kgあたり500円で販売

■あけびの里
[TEL]0260-32-2050(天龍村観光協会 役場地域振興課内)
[住所]長野県下伊那郡天龍村神原4414-2
[営業時間]10時~15時 ※平日は土日祝除く3日前までに要予約
[定休日]期間中はなし
[アクセス]中央道飯田山本ICより車で1時間
[駐車場]5台
「あけびの里」の詳細はこちら

まとめ

里山の秋の味覚「あけび」についてご紹介しました。子どもの頃に食べた、素朴で懐かしい甘さを思い出した人もいるのではないでしょうか?

「あけび」にはビタミンCやカリウム、葉酸など健康に良い成分もたっぷり含まれているので、食べたことのない人もぜひ一度試してみてくださいね♪

※天候や生育状況により、お休みや時間変更の場合もありますので、事前に施設にご確認の上お出かけください。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください。
※掲載の価格は全て税込価格です。

岡本 いつか  岡本 いつか

3人の子を持つ、ママ編集ライター。たまにひとり旅に出かけます。奈良とウィーンが大好き。今一番欲しいものは、加齢とともに失った「睡眠1時間で働ける身体」。

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